西川農藝の投稿一覧

皆さんは最も体に良い油といえば、どんな油を思い浮かべますか?
オメガ3のえごま油やアマニ油、
地中海ダイエットのオリーブオイル、
脂肪の分解が早いMCTオイル、
といったところがよく取り上げられる候補ではないでしょうか。

あくまで一つの意見ではありますが、画像に示す通り菜種油こそが一番であると主張している書籍があります。初めてこのランキングを見た時、油屋の端くれとしてはちょっと驚きました。
菜種油が一番などというランキングはこれまで見たこともありません。

しかし、ちょっと上から目線で恐縮ですが、なかなか良い所に目を付けるじゃないか、とも思いました。
なぜなら、菜種油のオメガ3・6・9・飽和脂肪酸のバランスが比較対象となりえる油が他にないくらい抜群に良いからです。
厚生労働省が推奨する脂肪酸バランスというのがありまして、画像みたいなグラフにすると菜種油のバランスと凄く近似します。しかも、現代人の食生活により適したバランスなんです。
なので、このランキング1位には我が意を得たりとも思いました。

とはいえ、私個人として菜種があらゆる油の中で一番だと主張したいわけではありません。
どういう方向からみるかで一番は変わると思いまし、個人の好みや体質によって変わると思います。
あくまで脂肪酸バランスという視点でみると菜種油は抜群の1位という話なんです。

お料理や気分に合わせて油を選んで最終的にバランスが取れていれば良いことだと思います。
ただ、油を複数使い分けるのは面倒だから油は一種類で充分ということであれば菜種油はベストかもしれません。

油を選ぶ際には脂肪酸バランスのことも少し考えてみていただけると良いかもしれません。

因みに、厚生労働省が推奨するバランスは以下の通り、
オメガ3: 6% 現代人は不足気味
オメガ6: 24% 現代人は過剰摂取気味
オメガ9: 40%
飽和脂肪酸: 30% 現代人は過剰摂取気味
中でも、必ず食品から取り入れる必要があり、欠乏すれば障害も出る必須脂肪酸のオメガ3と6のバランスはとても重要だとされています。

資料: 週刊文春老けない最強食 (文春MOOK) 笹井恵理子 著

夏は農作業で疲れ果てて本を読む気力もないので、冬は大事な読書の季節です!
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ご注文が重なったためえごま油の一時的に配送日時指定を不可としておりましたが、昨夜日時指定負不可を解除いたしましたので改めて配送日時の指定できるようになりましたことをご案内いたします。
日時指定不可とさせていただきました期間にご注文いただきました皆様には大変ご不便をお掛けし申し訳ございませんでした。

画像は本日瓶詰前のえごま油の品質確認の様子です。
日本では一般的に油の状態の確認を酸値と過酸化物価という指標で確認します。

それぞれをリトマス紙の要領で色の変化で酸化(劣化)の進み具合を確認するのですが、
色の変化を確認できません!=酸化(劣化)を確認できません!
左が酸価、右が過酸化物価です。

スプーンにとったえごま油を口に含んで風味も確認します。
酸化によるえぐみや生臭い匂いはなく、円やかなお味です。

栽培→収穫後処理→保管→製油の全ての過程が非常に良い状態であったことを示していて、
これまでの苦労が報われているようでとても嬉しいです。
今回の生産分だけが良いということでなく、令和3年産を搾り始めた昨年10月からずっとこんな感じ。

実は、令和3年は豊作で計画より15%ほど収量も多く、加えて歩留りも例年より15%ほど良いです。
令和3年は収量・歩留り・品質の3要素が満たされた稀有な年だったようです。

えごま油スプーン1杯の健康生活始めてみませんか?
酸化して生臭くクセのあるえごま油が理由でえごま油スプーン1杯の健康生活に挫折してしまった皆様、ご覧の通り酸化していません。改めて再開してみませんか?

皆様のご注文をお待ちしております!
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明けましておめでとうございます!
本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

2022年最初に搾るのはえごま油。
今日は外は雪が降りとても寒い日です。
工房内の温度も5.6度でやはり寒いです。

この温度ならドロドロ状になったり、固まってしまう油もあります。
皆さんのお台所の油はどうですか?

しかし、えごまなら圧力をかけて搾るだけで滝のように油が出てきます。(画像からは伝わらないかもしれませんが)
えごま油というと、血管をしなやかにするとか、血栓を防ぐとか、その他色々なことが言われます。
私は一介の農家兼油屋なので人体の中で起こっているこれらの複雑な作用について詳しくは分かりません。

ただ、こんな寒い日にえごまを搾っているといつも思うことがあります。
それは、これだけ寒くてもサラサラなら血液中でドロドロすることはないだろうな、と思います。
ドロドロになって血管が詰まることはないとイメージできるので、えごま油は脳梗塞や心筋梗塞など血管系トラブルに良いという話には個人的には物凄く納得感があります。

工房内が5.6度だとえごま油は問題なくても、長時間作業する人間には少々辛いのでエアコンで温度を少々上げたいと思います。

改めまして、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

西川農藝
代表 西川真
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現在試作中のはと麦殻も丸ごと全粒粉の栄養成分を外部機関で分析してもらいました!

日本標準食品成分表に掲載されているはと麦の精白したものとの比較は画像の通り(赤字の雑に書かれた数字が精白はと麦)。

色々と面白い発見があります。

まず、脂質が予想以上に多い。米の糠に相当する部分もパウダー化しているからですね。
将来的にもっとはと麦の栽培面積を増やして国産原料初のはと麦油もありかも。

炭水化物は少ない。炭水化物は糖質と食物繊維に分けることができるが、糠相当部分もパウダー化している食物繊維もは多いと思われるが不明。

殻も粉末化しているから灰分が圧倒的に多い。ミネラル分などが相当含まれていると推定できる。

すいません、商品化かなり遅れてます。。。
お待ちいただいている皆様本当申し訳ありません。

どうしても一点納得できない点があり、試作を繰り返したり、図書館に行って文献にあたったりしてます。そのお陰で色々と勉強にはなっており、より良いものになっていると確信していますが。

もうしばらくお待ちいただければと思います。

より詳細な栄養成分を分析して食物繊維と灰分の内訳についても後日調べてみたい、とは思いますが分析費用も決して安くないのが辛いところです。
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最近、お客様からえごま油が本当に美味しい、というお声を聞く機会が多い。
一月ほど前に投稿した収穫時に使用する粗選機改良の効果が出ているのかもしれない。
美味しいというお声もとても嬉しいし、ちょっとした改善に効果があったのも嬉しい。

しかし、一方でえごま油が美味しいというお声と同時に、えごま油で酷い体験をしているお話も聞く。
えごま油を摂取するのが良いのは分かっているのだけれども、どうしても臭いや風味を受け入れられないと仰られる。でも、西川さんところのなら大丈夫と聞いて、私自身は最初は素直に喜んでいた。

しかし、そうそう喜んでいていいものだろうかとも思うようになった。
酷いえごま油のお陰でえごま油を避けるようになってしまった人というのはどれくらいいるのだろうと思う。
私自身も体験がある。油の生産を始める前に道の駅で見つけたえごま油を購入した。人生で初めて買ったえごま油である。栓を開けると、生臭い臭いが漂ってきてもうその時点で受入れ難く結局口に入れるに至らなかった。もしあの体験だけで終わってたらえごま油を生産しようなんて気にもならなかっただろう。こんなものとても人の口に入れるものじゃない、いくら体に良いとしても無理、で終わったはず。

こんな風に避ける人ばかりになったら、どれだけ良いえごま油を作ってもそれをご購入いただくお客様がいなくなってしまうかもしれない。そうしたら当然良いえごま油を生産していても継続できないようになる。この構図って、まさに「悪貨は良貨を駆逐する」だと思う。
つまり、良いえごま油が悪いえごま油を駆逐して世の中には良いえごま油だらけのハッピーエンドとはならず、その反対で、「悪いえごま油が良いえごま油を駆逐する」という構図。そして、そんな構図が近い将来ありえるんじゃないかと考えてしまうことがある。

悪いえごま油に駆逐されて良いえごま油がなくなれば、良いえご油を真面目に生産している生産者はもちろん不幸だけど、現代人に不足しがちなオメガ3脂肪酸を気軽に摂取できるえごま油がこの世から消えてなくなるのは消費者にとっても不幸だと思う。

一体どうすればよいのやら、と考えさせられる。
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この投稿をした生産者

鳥取県 倉吉市

西川農藝