西川農藝の投稿一覧

天気予報では今週後半あたりから全国的に20度を越える日も出てくるようですので、本日3月25日ご注文受付分よりえごま油は常温便ではなくクール便での配送といたします。

天気の良い日のトラックの庫内は気温+15度という調査結果もあり、15度くらいから劣化(酸化)が始まるえごま油の品質保持のため毎年この時期からはクール便での配送としています。えごま油についてよくご存知のお客様にはクール便代金が加算されるにも関わらず大変喜ばれている配送方法になります。

画像はえごま油の原料となるえごまを貯蔵している穀物貯蔵庫の温度計です。えごま油が熱に弱いことは比較的よく知られていますが、そもそもその原料であるえごまが15度くらいから劣化するとされていますので12度に設定した穀物貯蔵庫でえごまを寝かせています。

そして、低温で貯蔵されたえごまを搾ったえごま油は発送まで冷蔵庫で保管。原料の貯蔵から配送までえごま油を熱に晒すことのないよう細心に注意を払って皆様にお届けしています!


えごま油の温度や光に関するお話を少々させてください。

7-8年前のある日の地元紙の朝刊に鳥取大学の教授が記事を寄稿されていました。以下はその内容です。

当時TV等でも取り上げられ話題性もあってか道の駅や直売所の軒先にえごま油が陳列されていましたが、真夏の炎天下であれば1日で”食用不適”となるくらい劣化(酸化)すると警鐘を鳴らされていました。

気温も高く紫外線も強い時期とは言えたった1日でそこまで劣化してしまう油であるということで、当時改めてえごま油の扱いに気を引き締めなければと考えた記憶が今でもあります。

皆様もえごま油は熱にも光にも弱い油であることをご認識いただき冷蔵庫で保管していただきますようお願いいたします。
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えごま栽培の優良農家ということで鳥取県の依頼を受けて2年ほど県のえごま栽培マニュアル策定の協力をしました。

昨年の試験の対象畑の諸々の結果が送られてきました。画像はその結果の一部ですが中身はボカしています。

その中で「含油率」という項目があり46.1%でした。
日本食品標準成分表におけるえごまの含油率は43.4%です。
西川農藝 46.1% ▶︎ 43.4% 日本食品標準成分表

千葉大学が実施した肥料投与量と(「えごま」ではなく)「ごま」の含油量を調べた研究があります。

肥料投与量と含油量は反比例の関係で肥料を投与すればするほどごまの含油量は低下します。

つまり、無肥料で栽培した場合が最も含油量が多くなります。

本試験のえごまの種子は自然採種歴は5年目、畑の無肥料自然栽培歴は7年目。

無肥料栽培は2作物において含油量が多いという結果が出ました。

なぜその様な結果になるのか自分なりに考えてみました。

あくまで仮説です。

ごまやえごまなどの作物が種子に油を蓄えるのは発芽時のエネルギーとするため。

肥料たっぷりの畑であれば、根をちょっと伸ばせば肥料に届いて成長に必要な栄養を自ら確保できるようになります。

しかし、無肥料を基本とする自然栽培では根を伸ばしても容易に栄養に到達できないかもしれません。そんなハングリーな環境では発芽時のエネルギー源である油が少なくては根が栄養を確保できるようになる前に行き倒れてしまうかもしれません。だから、油を多く含むよう進化したのではないかと考えました。

これも環境に順応するための一種の進化と言えるかもしれません。

ついでですが、無肥料栽培ですと、えごまはロズマリン酸を、ごまはセサミンのような良く知られる機能性成分を多く含むようになるという試験結果もあります。

実際、西川農藝のごま油はセサミンを他銘柄と比較して多く含んでいることを確認しています。

含油量は合ってる合ってないは別にして、自分なりに仮説も立てれるのですが、これらの機能性成分の含有量の変化についてはまだ自分なりに納得できる理由を見出せていません。

一つ言えることは、やはり環境によって作物も変化するということですね‼️
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この投稿をした生産者

鳥取県 倉吉市

西川農藝