上ノ原果樹園の投稿一覧

先日より収穫が始まった最後の圃場です。
ここは道路に面して段高い圃場で隣は放棄地で農薬も肥料など雨で当園には流れてきません。
そして一段ずれていることによりウチから流れるのはありますが、それだけ外部から影響を受けないので土作りも含めて独自性が出せるからかここから採れるシャインは当園でも一味違うんです。
明らかに味が違うんです。味に奥行きがあって香りが強いです。
これから発送分はこちらの圃場のシャインになるので是非味わって頂きたいです。

写真にある国の農研機構やあちこちの県果樹試験場などで出しているシャインマスカットのカラーチャートです。

１番の緑色は糖度１５度以下
２番は糖度１８度未満
３番は糖度１８度以上確実。
４番は糖度１９度以上
５番は２０度以上は確実

こんな指針で農家はやっています。

シャインマスカットが世の中に出始めの頃は１番でも今までのぶどうと比べて癖がなく、マスカット臭が香って美味しいともてはやされて農家もジャンジャン世に出していました。国も県も指針が出来ていなかったのでそれを良しとしていました。これがいけなかったのです。

シャインマスカットの栽培技術も蓄積されて美味しいが数値化されてくると「あれ？１番はもしかして生ゴミ以下で不味くて食えないんじゃ？」と言われ始めましたが、世の中に広まったシャインマスカットの評価は怖い物でその１番が一番美味しくてそれ以外は腐っているとか言う人も出てくる始末・・・

３番以上が美味しいものだということを叫ばれ始めたのがまだ３、４年くらいです。
当園は緑色のシャインマスカットの写真も使っていますが、個人的には未熟だと思っています。
当園は糖度２０度以上で収穫ですから問題ないです。

地域によってばらつきのあるシャインマスカットの評価。
完熟の黄色くなったシャインマスカットは市場によっては低評価です。あくまでも「よっては」です。高評価の市場もあります。むしろ黄緑色〜黄色でないと評価の対象にならないところのほうが圧倒的に多いです。

農家目線でいいうと香りと甘味に渋味と酸味を残しながら黄色に持ってくるのは非常に難しいです。手間がかかります。技術的に高度なんです。低評価を降すところでは緑色でないと意味はないとまで言われています。一般に緑色の目安は糖度１０〜１６度前後と低糖度極まりない不味い部類に入ります。
ちなみに当園は２０度を超えないと収穫はしないので黄緑〜黄色が原則です。「緑色なんてあんな不味い物」と思っています。さすがに市場でも緑色はどこも低評価です。少し黄色が入った黄緑からです。

当園の取引のあるイタリアンレストランや割烹料亭、フルーツパーラーなどは黄色の完熟という指名買いです。某テーマパークレストランや都内の有名なフルーツパーラーなども当園の「黄色い完熟ゴールドシャインマスカット」を使ったパフェやデコレーションケーキに使って頂いています。誰でも聞いたことのある有名店ですので目にしたことはあるかと思います。

シーズンは既に終わりに近づいていますが、完熟のぶどうというのを味わって頂きたいです。

当園の圃場は一枚畑です。なので標高が一緒です。その為に品種毎の熟期というのがバラバラです。標高差があればそれを利用して早生と中生種と晩生種などの組み合わせの販売とかも出来ますが、現状、すっごく良いナガノパープルにはちょっと早すぎなシャインマスカットを組み合わせます。シャインマスカットは晩生種の部類でナガノパープルは早生になります。なので本当の意味での食べ頃というのは揃いにくいです。
ですので、ここ信州では１０月がシャインマスカットの食べ頃になります。
今年は糖度の上がりが早かったので9月から極甘のシャインマスカットが出てきましたが、10月にはいるとその味に磨きがかかり、クリーミーで濃厚な甘みに遠くに感じる酸味と渋味に喉から鼻に抜ける強いマスカット臭が出てきています。まさに旬を迎えました。糖度は25度越えと一般に流通するシャインマスカットでは見かけない高糖度！まさに今がお勧めです。