株式会社土井農場の代表をしております土井賢一郎と申します。
鹿児島大学農学部卒業後、地元に帰り両親の跡を継ぎ、農業をはじめ、平成25年に法人化し、現在7名の社員と共に消費者の皆様の食料を守るために頑張っております。
長崎県の諫早平野でお米を栽培し、そのお米を食べさせて育てたオリジナルのブランド豚、諫美豚(かんびとん)とその諫美豚の堆肥で土づくりをした田んぼで育てた循環農法米の生産加工販売に取り組んでおります。
私が農業を始めたきっかけは、尊敬する両親が私を育てるために情熱を注いだ産業だったことはもちろんですが、日本の産業構造を見渡した時に、農業すなわち、食料の供給体制こそが日本のアキレス腱だと思ったからです。コロナの恐ろしさにも例えられるように自然の力は私達の想定を超えるものだと思います。いざという時の備えは必要です。今、我が国の食料自給率は37%です。この数字はもし輸入が止まった時には6割の日本人が死ぬかもしれないという恐ろしい数字です。「絶対にそんなことがあってはならない、自分が防波堤になって国民の食料を守る。」そんな思いで農業を始めました。
ですから、日本の主食であるお米を中心に、そして、父の代から始めた養豚を副に経営を始めました。しかし、熱い思いとは裏腹になかなか思ったように経営がうまくいきませんでした。そこで、どうすれば消費者の皆様が喜んでくださる農作物を育てることが出来るのか悩みに悩んだ末に出した結論が、先輩たちの真似をしてみようということでした。正に「温故知新」です。
日本の伝統的農業は「資源循環型農業」だったんです。全てのものを資源としてとらえ、人間の連携と協働を駆使して、資源のスムーズな循環を促すことにより、自然環境を次の世代に残しながら、より有機的で安全安心で美味しい本物の農産物を消費者の皆様に提供する農業です。
例えば、うちでは、水田から出る米収穫後のわらやもみ殻は捨てずに、家畜の餌や敷きわらにします。また、豚舎から出る堆肥も捨てずに水田の土づくりに、減反部分の水田では諫美豚の餌になるお米を栽培します。
すると、とても大切なことに気付きました。「肉の味はエサで決まる。お米や野菜の味は土で決まる。そして、自然の流れに沿うほど美味しいものが出来る。」ということです。
私は資源循環型農業と諫美豚そして循環農法米をたくさんの方に知っていただきたいと思います。そのことによって伝統的日本農業のすばらしさ、ひいては日本文化のすばらしさを世界中の方に知っていただきたいと思います。そして、国民の皆様の食料を永久に守っていきたいと思います。
どうか皆様方のご指導ご鞭撻のほどをよろしくお願いいたします。