有機栽培への挑戦を始めたのは平成5年のことです。
その当時、農園の近所で親戚が飛騨牛の生産をしていました。その牛たちの飲み水となるのは、私の農園からの雨水が流れ着く溜池。
その水を摂取して育った牛たちは、消費者へと出荷されていくサイクルに疑問を感じ、農薬の使用を一切止め、有機栽培に切り替えました。
始めたばかりの頃は、なかなか上手くいかず、野菜の病気により、ほぼ全滅したり、売り先の確保に大変悩みました。
有機栽培で手間をかけて育てるトマトやほうれん草は、本当に理解してくれる人の手元へ届かない限り、採算的にも報われない。
このやり方が安定するまでに5年の歳月がかかりました。
野菜本来の旨味が存分に引き出された野菜をぜひ食べてみてください。
安心、安全なものを食べられるこが何よりも大切と考えております。
本当に安全なものなのか、というのは、法律で定められた基準だけでは測れません。
一般栽培では年間の化学農薬の使用回数が定められてます。
規定の化学農薬散布回数は守っていても、農薬を撒いてすぐ収穫したものかもしれません。
私は食の安心・安全には真摯に向き合って作り続けていきたいですし、そうした作り手が増えていくことを願っています。