自然派ワインと自然派オイル①
2021/02/21
昨年おおいに刺激を受けた自然派ジャンルの先導者自然派ワインの書籍を改めて読み返しました。
自然派ワインは既にジャンルとして確立して自然派ワイン専門店やワインバーが日本でも存在するようになりました。対して、残念ながら自然派オイルなどというジャンルは今のところ存在していません。しかし、自然派オイルというジャンルがそろそろ出てきても良いんじゃないかなと思ってます。
昔、テイスティングで顔が赤くなるほどアルコールに弱いのに、ソムリエを目指すという無謀な挑戦をしていたのでワインの世界には馴染みがありやはりしっくりきます。
そして、ワインとオイルの世界には共通点も多いので多くのことを学べます。
ワインの偉大な造り手が語る詩的にして哲学的な名言の数々がとても印象的です。
そんな言葉の中でも最も印象に残っているのは、
「結局、畑がすべてなんだ」、
「畑で収穫したブドウ以上のワインはできない」、
と、ワインのもととなるブドウ、そしてブドウを育む畑の重要性が語られます。
ブドウをワインにかえる醸造の過程についてほとんど語ることはない。
ワインのクオリティは畑の段階で決まっており、醸造の目的はブドウのポテンシャルを引き出すこと、という風に読み取りました。
オイルの世界もワインと変わらず同様に全て畑で決まる。
経験を重ねるに従い尚一層その思いは強くなります。
偉大なワインの造り手の名言には深く深く頷くしかありません。
油ができるまでの過程は大きく分ければ、2つの段階に分けることができます。原料の栽培と製油の2つの段階です。西川農藝は一貫生産ですが、原料を栽培する農家と油に加工する製油業者で分かれていることもあります。油の品質は前者の農家の段階で8割は決まっていると言ってよいと思います。えごま油などは特にその傾向が顕著。農家の責任の範囲は種蒔きから収穫そして原料の乾燥まで。収穫から乾燥までの過程は特に重要でこの段階がうまくいかないと、えごまにカビが生えたり、えごまが酸化してしまいます。どれだけ製油業者が低温で丁寧に圧搾しても、当たり前のことですが酸化したえごまからは酸化したえごま油しか採れません。原料となるえごまが酸化していればどんな熟練の油職人も無力です。
完全非加熱無精製の低温圧搾生搾りの油にこだわる西川農藝ではなおのこと「畑が全て」、「収穫したブドウ(ごま・えごま・菜種)以上のワイン(各油)はできない」が一層リアルに響きます。焙煎して香ばしくすることで素材の状態を隠してしまうこともできないし、サラダ油のように化学的精製で酸価を下げたり一度変質してしまった色・風味・香りを取り除いて無味無臭に仕上げてしまうこともできません。情報誌Brutusのお取り寄せ特集に「生搾りは素材に自信があるからできること」という評者のコメントとともに黒ごま油を取り上げていただきました。西川農藝の油の本質をピタリと言い当てていただき、とても嬉しかったです‼️
オイル生産者として、自然派ワインの世界には多くの刺激と学びがあります。またブログで取り上げてみたいと思います。
自然派ワインは既にジャンルとして確立して自然派ワイン専門店やワインバーが日本でも存在するようになりました。対して、残念ながら自然派オイルなどというジャンルは今のところ存在していません。しかし、自然派オイルというジャンルがそろそろ出てきても良いんじゃないかなと思ってます。
昔、テイスティングで顔が赤くなるほどアルコールに弱いのに、ソムリエを目指すという無謀な挑戦をしていたのでワインの世界には馴染みがありやはりしっくりきます。
そして、ワインとオイルの世界には共通点も多いので多くのことを学べます。
ワインの偉大な造り手が語る詩的にして哲学的な名言の数々がとても印象的です。
そんな言葉の中でも最も印象に残っているのは、
「結局、畑がすべてなんだ」、
「畑で収穫したブドウ以上のワインはできない」、
と、ワインのもととなるブドウ、そしてブドウを育む畑の重要性が語られます。
ブドウをワインにかえる醸造の過程についてほとんど語ることはない。
ワインのクオリティは畑の段階で決まっており、醸造の目的はブドウのポテンシャルを引き出すこと、という風に読み取りました。
オイルの世界もワインと変わらず同様に全て畑で決まる。
経験を重ねるに従い尚一層その思いは強くなります。
偉大なワインの造り手の名言には深く深く頷くしかありません。
油ができるまでの過程は大きく分ければ、2つの段階に分けることができます。原料の栽培と製油の2つの段階です。西川農藝は一貫生産ですが、原料を栽培する農家と油に加工する製油業者で分かれていることもあります。油の品質は前者の農家の段階で8割は決まっていると言ってよいと思います。えごま油などは特にその傾向が顕著。農家の責任の範囲は種蒔きから収穫そして原料の乾燥まで。収穫から乾燥までの過程は特に重要でこの段階がうまくいかないと、えごまにカビが生えたり、えごまが酸化してしまいます。どれだけ製油業者が低温で丁寧に圧搾しても、当たり前のことですが酸化したえごまからは酸化したえごま油しか採れません。原料となるえごまが酸化していればどんな熟練の油職人も無力です。
完全非加熱無精製の低温圧搾生搾りの油にこだわる西川農藝ではなおのこと「畑が全て」、「収穫したブドウ(ごま・えごま・菜種)以上のワイン(各油)はできない」が一層リアルに響きます。焙煎して香ばしくすることで素材の状態を隠してしまうこともできないし、サラダ油のように化学的精製で酸価を下げたり一度変質してしまった色・風味・香りを取り除いて無味無臭に仕上げてしまうこともできません。情報誌Brutusのお取り寄せ特集に「生搾りは素材に自信があるからできること」という評者のコメントとともに黒ごま油を取り上げていただきました。西川農藝の油の本質をピタリと言い当てていただき、とても嬉しかったです‼️
オイル生産者として、自然派ワインの世界には多くの刺激と学びがあります。またブログで取り上げてみたいと思います。