秋田の小さな米農家 小場農園の投稿一覧

「ネオニコチノイド系農薬」通称「ネオニコ」。
発売当初は「昆虫に良く効き、ヒトには安全」と謳われて広まり、その結果として農薬使用回数半減(特別栽培)が可能となりました。
水溶浸透性であり植物体内へ浸透してその植物を食べた虫が駆除されるという仕組みです。

低濃度とはいえお米そのものにネオニコが含まれるのを知ってから、ネオニコ殺虫剤を使うのをやめました。
虫は駆除せず、自然(益虫)に任せる方式です。
そのため被害粒が毎年大量に発生します。
着色米は色彩選別機で除去しておりますが、どうしても0にすることはできません。
虫がかじっても死なない安全なお米であること、収量減、除去の手間分が価格に上乗せされていることをご了承いただければと思います。

有機栽培にも一度チャレンジしました。
しかし、手間や収量の問題で価格が高すぎて売る自信がなく、また化学を否定する農法にも疑問を感じてやめました。

そして化学を見極めて栽培する現在の「ネオニコフリーの特別栽培」に至ります。
種子消毒(1成分)と一発除草剤(3成分混合)、農薬回数としては4回で抑えております。
慣行栽培からの農薬削減率は80%減です。
肥料は特別栽培に準じて化学由来窒素が50%減です。
雑味を抑えるためにも余計な有機肥料は入れておりません。
土壌改良剤として毎年マグネシウム肥料をすき込み食味向上に努めています。
有機栽培と特別栽培のいいとこどりをすることで、価格を抑えたネオニコフリー米を可能にしました。

最近、ネオニコの毒性に関して、哺乳類への影響があるという研究結果が報告されるようになりましたが、広く認知されていないのが残念でなりません。
「有機栽培は高すぎる。でもネオニコは避けたい」というう方にお届けできればと思います。

過去に「あきたこまち極みコンテスト」で優良賞をいただきました。
令和4年度産米の食味値は71~81(静岡製機近赤外分析計SREによる)です。
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秋田県の稲作における【慣行栽培】は農薬使用回数が20回、それを基準に半減させたのが【特別栽培】になります。
一般的には特別栽培の方が安全性が高いと思われているようで、「ネオニコを避けるには特別栽培米を選びましょう」という誤ったブログ記事さえ見られます。
特別栽培米にはほぼ100%ネオニコが使用されている、というより、ネオニコが開発されたために農薬半減が可能になったと言ってもいいのかもしれません。

なぜ殺虫剤を1回撒いただけでこんなに効くのでしょうか?
虫の体外からダメージを与えるのではなく、植物の内部に薬剤を浸透させ、それを食べた虫が死ぬという仕組みだからです。
低濃度とはいえ人も食する部分に毒が含まれることになります。

当初、農薬メーカーは「哺乳類への影響は全くありません」という説明をしていました。
しかし、ヨーロッパ諸国では使用を制限する動きがある事、益虫にも影響し生態系のバランスが崩れること、何より人への影響がないとは思えないため、当農園では使用するのをやめました。

栽培暦で見ると、稲体の成長が止まり穂が出てから約1週間後の8月中旬、これから籾殻の中に澱粉が充填されるという時期に合わせて殺虫剤が散布されます。

虫が食べると駆除されるお米。これが斑点米の無い特別栽培米の真実です。

小場農園では【特別栽培米】に分類されますが、ネオニコチノイド系農薬はもちろん、殺虫剤そのものを使用しておりません。
虫は殺さず、益虫も増えることを信じて自然のバランスに任せる方式です。
そのため小場農園のお米は虫に食べられ放題です。
毎年相当量の斑点米が発生してしまいます。
その分の収量が落ち、価格が高くなってしまうことをご了承いただければと思います。
色彩選別機を使用していますが完全に除去することはできません。
虫が食べても死なない安全なお米の証とお許しいただければ幸いです。
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