養鶏農家の日常12:家畜衛生保健所
2022/07/22
一般のお客様に馴染みがないのが家畜衛生保健所、通称”家保”。
本日、年に一回の訪問による現場確認がありました。

話の中心は鶏インフルエンザに対する防疫。鶏舎毎の長靴の履き替え、管理者以外の外部の方に対する防疫要請、作業着の洗濯の仕方等々、事前に提出したチェック項目に関するヒアリングと現場確認。以前に比べて養鶏農家に求められることが増えてきました。

「これもやって下さい、あれもやって下さい、これはダメです」と言われると、「養鶏をやめろと言うのか」と反発される方もいるのも事実。養鶏農家の中では家保の職員に対する反発も少なくないのが実情です😥特に、GAPやHACCPといった認証を取り、レベルの高い管理をしている養鶏場でさえ鶏インフルエンザが出ている。そんなところで鶏インフルエンザが出てしまっているのに、零細の養鶏農家はどうしろと(-_-;)

とはいえ、疫学に関する知識の多い専門家たち。私が、以前から気になっていたのが、鶏インフルエンザが出た養鶏場に共通する要素は何かを特定し、それを優先的に取り組めば防げるのではないか、と考えていたのですが、今日の話はまさにそれをやってくれた内容の報告でした。

結果は、鶏インフルエンザが出た養鶏場に共通する要素は殆ど見当たらず...というもの💦

むしろ新たな原因(渡り鳥がウイルスを持ってきてその後どのように広がるか)の一つとして、冬に増えるハエの一種が媒介する可能性があるとのこと...新たに原因が増えたのみでした(・_・;)

話を聞いていて、ディスカッションをさせてもらうと、いろいろと気づかされることもあり、現在担当についている家保の職員には感謝です。

私見ですが、養鶏農家はいくつもの防疫措置を行っているものの(所謂、家保の指導のもとガイドラインに沿って対策を取っている、もちろん全て100点満点でやっているとも限らないけれども)、これら様々な防護壁の穴をすり抜けて、結果的に発生する。鶏インフルエンザが発生するたびに、おそらくここが原因だろうと、養鶏農家が防疫措置をしていなかった点、不十分だった点、周辺環境などが指摘され、どこも共通の要素がないという今日の報告結果になると。

共通する原因というよりは、「人為的なエラー」「管理運営の仕方のエラー」や「設備等のエラー」をすり抜けたときに起きているのかな?と。
すると、あれをやっていないから鶏インフルエンザが起きたという単純な話ではなく、複数のエラーが繋がって発生しているのかなと。「穴を作らない、通さない」「多重に防護する」だけでなく、どこが防疫措置として弱そうかを考えて、普段からどのように減らせるかを考えていくのが有効なのかなと。

お客様だけでなく、いろいろな方に影響が及ぶ鶏インフルエンザ。もとより、養鶏農家にとっては廃業にすらなってしまう一大リスク。今シーズンも無事に乗り切りたいです。

この投稿をした生産者

栃木県 芳賀郡益子町

薄羽養鶏場

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