有機・無農薬栽培の茶畑では、夏場(今の時期)にウンカという虫が発生します。害虫と言われているこの虫も、美味しい紅茶作りにはかかせません。
ウンカにお茶の芽が噛まれると、お茶の自己防衛機能が働きウンカの捕食者となる天敵を引き寄せる揮発性の成分が生成され、この成分が発酵工程の際に、蜜のような甘い香りに変化します。
しかし、ウンカに吸われたお茶の芽を使えば美味しい紅茶ができるのか?と言うとそう簡単に行かないのが紅茶作りです。紅茶の荒茶工程には、萎凋ー>揉捻ー>発酵ー>乾燥があり、それぞれの行程の時間や温度を天候や茶葉によって見極めなければいけません。見誤ると、雑味や渋みが多くなる原因に。加工がうまく行くと、写真のように芯の部分が白くなります。
この紅茶を、これから半年間熟成させてから仕上げ加工を施しこの冬から販売していきます。
私達の所では、春に緑茶を作り夏(6月~7月初旬)は紅茶を作っています。以前は、夏の時期に緑茶を作った事もあったのですが、このウンカに噛まれた茶葉を使ってできた緑茶は、、、不味かった(笑)現在は、全量紅茶にシフトしました。