悪貨は良貨を駆逐する/悪いえごま油は良いえごま油を駆逐する!?
2021/11/24
最近、お客様からえごま油が本当に美味しい、というお声を聞く機会が多い。
一月ほど前に投稿した収穫時に使用する粗選機改良の効果が出ているのかもしれない。
美味しいというお声もとても嬉しいし、ちょっとした改善に効果があったのも嬉しい。

しかし、一方でえごま油が美味しいというお声と同時に、えごま油で酷い体験をしているお話も聞く。
えごま油を摂取するのが良いのは分かっているのだけれども、どうしても臭いや風味を受け入れられないと仰られる。でも、西川さんところのなら大丈夫と聞いて、私自身は最初は素直に喜んでいた。

しかし、そうそう喜んでいていいものだろうかとも思うようになった。
酷いえごま油のお陰でえごま油を避けるようになってしまった人というのはどれくらいいるのだろうと思う。
私自身も体験がある。油の生産を始める前に道の駅で見つけたえごま油を購入した。人生で初めて買ったえごま油である。栓を開けると、生臭い臭いが漂ってきてもうその時点で受入れ難く結局口に入れるに至らなかった。もしあの体験だけで終わってたらえごま油を生産しようなんて気にもならなかっただろう。こんなものとても人の口に入れるものじゃない、いくら体に良いとしても無理、で終わったはず。

こんな風に避ける人ばかりになったら、どれだけ良いえごま油を作ってもそれをご購入いただくお客様がいなくなってしまうかもしれない。そうしたら当然良いえごま油を生産していても継続できないようになる。この構図って、まさに「悪貨は良貨を駆逐する」だと思う。
つまり、良いえごま油が悪いえごま油を駆逐して世の中には良いえごま油だらけのハッピーエンドとはならず、その反対で、「悪いえごま油が良いえごま油を駆逐する」という構図。そして、そんな構図が近い将来ありえるんじゃないかと考えてしまうことがある。

悪いえごま油に駆逐されて良いえごま油がなくなれば、良いえご油を真面目に生産している生産者はもちろん不幸だけど、現代人に不足しがちなオメガ3脂肪酸を気軽に摂取できるえごま油がこの世から消えてなくなるのは消費者にとっても不幸だと思う。

一体どうすればよいのやら、と考えさせられる。

この投稿をした生産者

鳥取県 倉吉市

西川農藝

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