
【お菓子作りに】紅玉リンゴの魅力にせまる(レシピ付き)
アップルパイにタルトタタン、リンゴタルトに煮りんご……
リンゴは生で食べることももちろん美味しいですが、様々なスイーツに利用されることも。
スーパー等でよくみかける品種といえば、フジやジョナゴールドなど。ですが、お菓子作りでは紅玉という品種がピッタリと耳にしたことはありませんか?
今回は、そんな紅玉の他の品種と比較した魅力を管理栄養士兼フードコーディネーターの麻友美がご紹介いたします。
目次
そもそもリンゴにはどんな品種がある?
日本で栽培されているリンゴの品種は約2,000種類。筆者は想像していたよりも多いな……と思っていたのですが、世界に視野を広げると、その約7.5倍の約15,000種類にもなるそうです。
先ほどご紹介したフジやジョナゴールドは、いわゆる「赤色りんご」に分類されます。もうひとつがシナノゴールドなどの「黄色りんご」です。
紅玉が“お菓子作りに選ばれる”理由
リンゴと言っても多種多様な品種があることがわかりました。では、その中でもなぜ紅玉がお菓子作りに向いていることで有名なのでしょうか。その秘密を大きく3つに分けてご紹介します。
その1 色の濃さ
元々アメリカが原産の紅玉。
その品種名の通り、真紅ともいう真っ赤に色づいた皮が特徴的です。
軸を切り取り、リンゴを薄切りにしてグラニュー糖、バター、レモン汁などでソテーしたリンゴのフィリング。これを外側から順に敷き詰めて作るリンゴタルトでは、その真っ赤な色が活かされてバラの花のように見えますよね。
その2 酸味の強さ
リンゴといえば、その甘酸っぱい酸味と甘味がポイント。このバランスは、品種によって大きく変化します。紅玉は、他の品種と比べて甘味よりも酸味の方が強く味もギュッと濃いのが特徴的です。
砂糖を加えてコンポートなどにするとき、酸味が強い品種の方がリンゴを感じられ、全体的にバランスの取れたお菓子に仕上がります。
リンゴを使ったお菓子の定番「タルトタタン」は、砂糖やバターを煮詰めてできたカラメルをりんごと絡めて作ることが多いかと思います。このとき、酸味の強いリンゴを使用することで、そのリンゴ独自の酸味をしっかりと残すことができます。
その3 加熱調理に向いている
紅玉をおススメする3つ目の理由は、果肉の崩れにくさです。
リンゴの食感は、品種によってシャキシャキと歯ごたえのある硬めのものや、噛むとしゃくホロと崩れやすい柔らかいものがあります。柔らかい品種ももちろん美味しいのですが、煮りんご等でリンゴの食感や形を残したいときには不向きになります。
紅玉は、他の品種に比べて火を通した時も形が崩れにくいのが特徴です。
果物を薄い砂糖水などで煮込んで作る、ヨーロッパの伝統的な保存方法「コンポート」にするときも、この煮崩れのしにくさが大切になります。
コンポートしたリンゴは、そのまま食べることも美味しいですが、パンケーキに添えたりヨーグルト等にあわせても楽しむことができます。
砂糖水をアレンジし、紅茶や白ワイン、シナモン等をたっぷり効かせて煮詰めるのも、風味が更に良くなりおススメです。
コンポートできたあとの残ったシロップもリンゴの風味がたっぷりなので捨てずに是非活用してくださいね。凍らせてシャーベット状にし、コンポートに添えると立派なデザートに早変わり。ゼラチンで冷やし固め、ゼリーなどにするのも美味しいですよ。
今回はそんな白ワインでコンポートするレシピをご紹介します。
紅玉リンゴの白ワインコンポート
~材料(作りやすい分量)~
○紅玉リンゴ 2玉
○シロップ
・白ワイン 150ml
・水 150ml
・はちみつ 大さじ2
・グラニュー糖 大さじ3
・シナモン 1片(あれば)
~作り方~
1.リンゴは皮つきのまま四等分に切り、ヘタと種を取り除きます。
2.小鍋にシロップの材料を入れて中火にかけます。グラニュー糖が溶け、沸騰したら弱火にし、紅玉リンゴを入れて落し蓋をして10分程煮込みます。
3.紅玉リンゴにしっかりとシロップが染みこんだら火から下ろし、粗熱を取って冷蔵庫で冷やして完成です。
すぐに食べても美味しいですが、時間を置くとより味が染みて美味しいですよ。
まとめ
いかがでしょうか。
紅玉リンゴは色の濃さと強い酸味、煮崩れのしにくさが評価され、お菓子作りによく利用されています。この機会に是非、おうちでりんごを使ったお菓子作りに挑戦してみてはいかがですか。おうちでカフェタイムを楽しんでみてくださいね。
またこの記事以外にも、りんごに関する「知らなかった」「なるほど!」な情報を集めた特設サイトも公開中。今年の秋は、食べチョクと一緒に、りんごをさまざまな角度から見てみましょう。
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