

熊本県 天草市
天草 天領みかん
2017年に埼玉県から熊本県天草市に移住し、2年の研修を経て、柑橘農家として新しい道を歩き始めました。デコポンの名前で有名な不知火(肥の豊)という品種と河内晩柑を栽培しています。
生産者のこだわり

海の恵みをみかん山に還元
豊かな野山と美しい海に恵まれた天草は、大小120の島々からなり、日本の宝島の名にふさわしく、自然の恵みいっぱいの土地です。
中でも私たちの園地がある五和町は漁業と農業が共存している町で、豊かな漁場である通詞島沖合には野生のイルカが約200頭住んでおり、一年中イルカに会うことができます。
この地区では昔から素潜り漁が盛んで、ウニやアワビ、海藻などを獲っています。
私たちは素潜り漁師さんが獲ってきたウニの殻をもらい、ボカシを作り肥料としてみかん山に撒き、海の恵みを山に還元しています。
ウニの殻の成分はほとんどがカルシウムとマグネシウム。
本来ならば産業廃棄物として捨てられる殻が肥料として生まれ変わるのです。

減農薬への取り組み
私たちの栽培方法は農薬を使用する「慣行栽培」です。
ですが、できるだけ減農薬に取り組んでいます。
例えば、害虫であるダニを防止するための農薬を使用する代わりに通詞島沖合のミネラルをたっぷり含んだ天然天日塩を製塩する際に出るニガリを葉面散布しています。
他にも、除草剤は一切使用しておらずできる限り農薬に頼らない栽培方法を取り入れています。

熊本県オリジナル品種「肥の豊」
「デコポン」の名で知られている不知火という品種。
不知火は熊本県の主力柑橘ですが、樹勢が低下しやすく収量が少ないことや成熟期が遅く高酸果実の割合が多いことが問題となっていました。
それらの問題を解決するために、熊本県は品種改良に乗り出します。
そして不知火に「マーコット」という品種を掛け合わせた「肥の豊(ひのゆたか)」を作り出します。
肥の豊は熊本県限定栽培の品種で、不知火よりも糖と酸のバランスが良く果肉が柔らかいのが特徴です。
私たちは肥の豊をメインに栽培しております。常に樹の状態に気を配り、追肥や灌水のタイミングを見極め、最上の肥の豊を作り出せるよう努力しています。

爽やかな味わい「あまくさ晩柑」
河内晩柑(かわちばんかん)は、1935年頃に熊本県河内町で見つかったザボンの偶発実生です。
発見された場所の名前(河内)と、収穫時期が春先以降であること(晩生の柑橘)から「河内晩柑」という品種名がつけられています。
産地によって色々な呼び方がありますが、天草では「あまくさ晩柑」という名前で子供からお年寄りまで多くの人に親しまわれており、天草を代表する柑橘です。
こだわりの栽培方法で同じ品種でも私たちにしか出せない味を追い求め、チャレンジし続けます。