令和6年1月1日16時10分、能登半島は震度7マグニチュード7.6の大地震に襲われました。報道されている情報は極一部で町は壊滅的な被害となっています。お亡くなりになった方への哀悼の意を表すと共に安否不明者が一刻も早く発見されることを願うばかりです。建物の倒壊、道路の破壊、電気水道通信は止まり復興には10年単位の時間を要します。その中でも住人、行政みな今すべき命の安全のための選択をしている日々です。
私が畑をしている能登町も被害を受けました。インフラ、物流の再開目処が立たない中農作業も再開目処なく中断しております。個人的な話になりますが幸い珠洲に居住をおく私の家族の無事で、建屋の損壊はあるもののまだましであった言えます。しかし前述同様にインフラは破壊されており、現在も母校である高校に避難生活をしています。長引くのは間違いありません。そして親族の1人は9日22時に避難所にてお亡くなりになりました。時がたつにつれ様々な悲しいニュースも日々耳にいたします。
避難所生活を体験すると日々日常に埋もれていた幸せとありがたさを改めて感じます。子どもの声、暖かな部屋や布団、最近は見なくなったテレビの恋しさ、綺麗なトイレや台所、明るい部屋、負荷のない道路、、、。その中でも改めて食べ物のありがたみと喜びを感じています。当初は非常食を食べ生きながらえ、公的物資が届き始めるとカップ麺など温度を感じる食事に感謝し、誰かが作ってくれた調理環境がなくとも食べられるパンの美味しさ、やがてパックご飯などで日本のお米を食べる喜び、炊き出しの支援で口にするお肉やお野菜、温かなうどん、、、。豊かな食卓が人の生命の維持だけでなく夢に向かい力強く生きる人の源であることを改めて生産者として学ばせて頂いてる思いです。美味しい食は夢への近道ですね。
結びになりますが、とはいえ悲観ばかりもしておりません。現実をしっかり直視し、受け止めてそれでもこの能登の地で生を受けた者としてしっかりと復興に向けできることからはじめていきます。メラメラと逆境に対しやってやるという元来もつ野生的な感情も湧いております。春になるのか来年になるのか、水と切り離された農業がどのような形を持ってつなげることができるのか思案しながらまた美味しいお野菜を皆様へお届けする所存です。
タベチョク様のサポートによりわずか数日で信じられないほどの支援や温かなお言葉を頂戴し、驚きと共にしつくせないほどの感謝の気持ちでおります。復興が落ち着いたら是非能登へ遊びにきてください。過疎と言われながらも歴史ある伝統や祭り。美しい景観、美味しい食べ物、心温かな優しい人々。皆様に英気と癒しをもたらすおもてなしが能登にはあります。今後とも能登をよろしくお願い申し上げます。
株式会社ハルサ
坂本洸士