有機農園たかしま農場の投稿一覧

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こんにちは。

今日はお米は栽培方法についての投稿です。よくご質問をいただくのでまとめてみました。長くなりますが、よければ閲覧いただけると幸いです。

難解・複雑すぎるJAS法と特別農産物ガイドラインの内容をできるだけ簡単に説明するために割愛する部分が多いのはご了承下さい。
それでは始めます!

まず、お米は栽培方法で3つに大きく分ける事ができます。

①有機栽培
②特別栽培
③慣行栽培

①有機栽培
有機栽培とは、過去2年間(アスパラガスや果樹などの多年生栽培の作物は過去3年)禁止された農薬と化学肥料を使用していないほ場(田んぼ)でないといけないという田んぼに対する条件があります。

農薬に関しては、有機JAS認証の登録農薬(化学合成ではなく自然由来の農薬)であれば使用が可能です。また、毎年必ず第三者機関による実地調査と膨大な資料の作成・提出があり、それをクリアしたお米にだけ有機JASマークを表示する事ができます。一度取得したらずっとJASマークを表示できるわけではなく、毎年必ず認証を取らなければ表示できません。

有機栽培=オーガニックであり、無農薬=オーガニックではありません。ここは結構誤認されている方もいらっしゃるのではないかと思います。有機栽培で多くの農家が頭を悩ませているのはほとんどの場合、除草対策です。雑草にやられてしまい収穫量が特別栽培や慣行栽培よりもかなり減ってしまいます。そのため販売価格が高くなってしまいます。他にも有機認証費用がかかったりと、その分も必然的に価格に上乗せになってしまいます。

また細かい話ですが、言葉が「有機認定」→「有機認証」に変更になっています。

②特別栽培
特別栽培とは、その農産物(お米)が生産されている各地域の、慣行的に行われている節減対象農薬及び化学肥料の使用状況に比べて、節減対象農薬の使用回数が50%以下、化学肥料の窒素成分量が50%以下で栽培された農産物のことを言います。

つまり農薬と化学肥料の双方が慣行レベルの半分以下で栽培される必要があります。北海道においては、農薬は22成分が慣行レベルですので、農薬が11成分以下かつ化学肥料の使用量が50%以下であれば特別栽培米とされます。

ここでややこしいのが、無農薬でかつ化学肥料も使用していないお米であっても、有機認証を取得していないお米は特別栽培米に分類されます。農薬も化学肥料も使用していないお米も、農薬と化学肥料の双方が慣行レベルの半分以下のお米も、どちらも「特別栽培米」に分類されます。

また、有機栽培のように第三者機関の認証などの必要はありません。ほ場の対する条件(過去2年間農薬や化学肥料を使用していない)等もなく、どの田んぼでも栽培開始可能です。

この先からかなりややこしくなりますがご了承下さい。

「特別栽培農産物に係る表示ガイドライン」
https://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/pdf/tokusai_qa.pdfから抜粋しますが、
「無農薬」の表示については、消費者にとっては飛散した農薬を含め一切の残留農薬を含まないと受け取られており、有機JASの表示より優良誤認を招いておりました(無化学肥料も同様)。さらに、「無農薬」の表示は、原則として収穫前3年間以上農薬や化学合成肥料を使 用せず、第三者認証・表示規制もあるなど国際基準に準拠した厳しい基準をクリアした 「有機」の表示よりも優良であると誤認している消費者が6割以上存在する(「食品表 示に関するアンケート調査」平成14年総務省)など、消費者の正しい理解が得られにくい表示でした。

また、「減農薬」の表示は、
・削減の比較の対象となる基準が不明確
・削減割合が不明確 ・何が削減されたのか不明確(農薬の使用回数なのか残留量なのか) であり、消費者にとって曖昧で分かりにくい表示でした(減化学肥料も同様です。)。

このような、消費者の方々からの指摘を踏まえてガイドラインが改正されたところで あり、このガイドラインにおいては「無農薬」「減農薬」「無化学肥料」「減化学肥料」 の表示は表示禁止事項とされ、これらの語は使用できないこととなっております。

なお、農薬を使用していない農産物には「農薬:栽培期間中不使用」と、節減対象農薬を使用していない農産物には「節減対象農薬:栽培期間中不使用」と表示し、節減対象農薬を節減した農産物には「節減対象農薬:当地比○割減」又は「節減対象農薬:○ ○地域比○割減」と節減割合を表示しなければなりません。

一括表示欄において上記の内容が確実に表示されている場合には、一括表示欄の枠外において、これらガイドラインにおいて示されている表示を強調するほか、「農薬未使用」、「農薬無散布」「農薬を使ってません」「農薬節減」「農薬節約栽培」といった消費者に誤解を与えず、特別な栽培方法を正確に消費者に伝えることができる内容の表示を行うこともできます。(抜粋終了)

・・・

・・・

めちゃくちゃわかりづらい!!!(すみません。。)



要するに特別栽培米の米袋の一括表示欄に
節減対象農薬:栽培期間中不使用 化学肥料(窒素成分):栽培期間中不使用
節減対象農薬:当地比〇〇減 化学肥料(窒素成分):当地比〇〇減

と表示していれば、「農薬を使ってません」「農薬をできるだけ使用していません」などの表記をしていいよという事になります。(よね?合ってるかな…)そこがかなり曖昧な気もしますが。。

また、肝心なところなのですが、農薬や化学肥料を使用していない場合の「栽培期間中〜」という表記ですが、仮に栽培期間中以外も農薬や化学肥料を使用していなくても「栽培期間中」と表記しなくてはいけません。

農家になる前の私はこの表記をみて、「なんだ、じゃあ栽培期間中以外は農薬を使っているんだ」と認識していました。これは正しくもあり間違いでもあります。

どういうことかというと、栽培期間以外の規定はないので、農薬を使用していても、していなくても「栽培期間中〜」との表記になります。栽培期間中は農薬はもちろん使用できませんが、栽培期間中以外(例えば収穫後の田んぼに除草剤を散布する等)は農薬を使用してもいい事になっております。


またまたここでややこしいことが。。

いやいや、インターネットを開くと
「栽培期間中農薬不使用」や「農薬不使用」、「無農薬」、「減農薬」、「低農薬」…

いっぱいあるじゃないか!!と思いませんでしたか?


それが、「特別栽培農産物に係る表示ガイドライン」では、
「本ガイドラインが農産物についての消費者の選択に資するという目的で定められているためであり、例えば通信販売、カタログ等による会員制販売もガイドラインの対象となります。他方、特定の生産者と消費者とが結び付いており、栽培方法などについて相互に納得した上で売買されている場合は、表示が問題になるとは考えられないので、ガイドラインの対象外となります。」

との記載があります。

???

つまり、不特定多数の消費者の誤認を防ぐためのもので、消費者が特定されている場合はガイドラインの対象外となるという事です。

不特定多数というのは「どういう人が買ったかわからない状態」を指しますが、いわゆるECサイトや産直サイトの場合は、購入者が特定できるので不特定多数への販売とはならず、ガイドラインの対象外となるという事なのでしょう。

また、このガイドラインはあくまで「米袋の表記」についてのガイドラインなので、米袋ではない「インターネット上の表記」に対するガイドラインではないという事なのだと思います。このガイドラインが制定されたのが平成19年なので、まだECサイトや産直サイトなどが一般的でない頃ですからそこまで想定していなかったのではないかと思います。

結果、

“皆、混乱している”

のが現状な気がします(笑)


そういうたかしま農場も意図したわけではないのですが、非常にわかりづらい表記となっており、大変申し訳なく思っております。今後、表記の変更を検討しております。

お客様によくいただくお問い合わせ内容が、たかしま農場の「有機栽培米」と「無農薬・無化学」はどう違うんだと聞かれます。

ごもっともで何も言えないのですが、当農場の場合はどちらも無農薬で化学肥料も使用しておりません。栽培期間中以外も農薬の使用もありません。有機栽培米は平成16年から栽培しておりますが、近年無農薬のお米の需要が増え、令和元年から特別栽培米(栽培期間中農薬・化学肥料不使用)の栽培を開始しました。農薬と化学肥料を使用していないという点は同じですが、違いはほ場の状態が違う(平成16年と令和元年の違い)という事、JASの認証の有無になります。


有機栽培でも登録農薬であれば使用できますし、特別栽培でも栽培期間中以外は農薬を使用できるので、流通している農産物で気になる方は直接その農家さんに問い合わせてみてもいいかもしれません。


特別栽培の話でだいぶ長くなりましたが、最後は慣行栽培です。

③慣行栽培
慣行栽培とは、各地域の慣行的に行われている化学合成農薬及び化学肥料の使用量で栽培された農産物のことを言います。「有機栽培米」や「特別栽培米」とは言いますが「慣行栽培米」とは言いません。北海道においてはお米は農薬は22成分、化学肥料は10kg/10aが慣行レベルですので、その範囲内であれば農薬と化学肥料の使用が可能です。「有機栽培米」や「特別栽培米」などの表示がないものは慣行栽培で作られたお米になります。


以上、

①有機栽培②特別栽培③慣行栽培

の3つの栽培方法についてご説明させていただきましたがいかがでしたでしょうか?

もし間違いがあればご指摘いただけると幸いです。


この他にも「自然栽培」の表示を目にされた方もいらっしゃると思いますが、たかしま農場は自然栽培ではないので、自然栽培について詳しく知りたい方は自然栽培をされている農家さんにお問い合わせいただければと思います。

投稿を見て、「やっぱりわかりづらいよ!」「疑問が少し解消できた!」「なんとなくわかった」「いやいや間違ってるよ!」などリアクションいただけると大変励みになりますので、どなたかいらっしゃいましたらぜひコメントお待ちしております。

今後とも有機農園たかしま農場をよろしくお願い致します。
本日は、栽培方法についてでした!
(決して読みたくはないボリューム感ですみません…)
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雑穀エキスパート講座認定試験合格しましたー‼️
2週間ずっとドキドキしながらこの日を待っていました😆

なんでお米のじゃなくて雑穀なんだと言う声が聞こえてきそうですが、私の周りには素晴らしいお米マイスターの方が沢山いらっしゃるので、あえてマイナーな雑穀の方にチャレンジしてみました!

届いた通知を見て、母が「やったー!」と子どものようにはしゃいでいたので、こんな姿を初めてみたわと言わんばかりの視線で4歳の娘が引いてました(笑)

旦那に合格点ギリギリかもしれないと話していていたので「それ絶対〇〇働いてるしょ‼️」とかなり失礼な事を言い放ち、私に感化されたのか土壌診断士とろうかなと言っていたので、結果で示して欲しいですね、えぇ。

資格が欲しいというよりかは、雑穀の栽培・加工に携わっている生産者としてもっと勉強したいと思ったのですが、なかなかネットで正確な情報にたどり着く事が難しく、資格を取るのが効率よく勉強できるかなと思ったのがきっかけです。

試験日は2/13(日)
この状況もあり東京まで行くのは少々悩みましたが、次回の試験は5〜6月予定との事だったので、それだと田植えとバッティングしたらえらいこっちゃと思い、思い切って行ってきて良かったです❗️

試験問題と回答用紙は回収されてしまうので、心配な問題を必死に覚え(意味ない)、試験終了後に乗った地下鉄で降車駅を間違えた「東銀座」のホームでテキストを見直した甲斐があったということにしましょう。笑

試験に不安を抱えているにも関わらず、早朝の便で東京に着くなり、一直線で「八代目儀兵衛」へ🍚✨
とっても美味しかったのと、思い切ってスタッフの方に声をかけたら「インスタ見てます‼️」「アカウント2つありますよね⁉️」(←私と夫の。く、くわしい)と気さくに話して下さりとっても嬉しかったです✨
ご飯を食べたら、はい別腹🍨
千疋屋のパフェを食べて試験会場へ。試験後は東京ミッドタウン日比谷で鈴懸のいちご大福を大量に買い込み空港へ✈️

日帰りの急ぎ足でしたが
充実した1日を過ごすことができました😊✨

私がこの資格を取得したからといって今すぐ何かできるわけではありませんが、雑穀の生産現場の一人として、雑穀の魅力をお米と共に発信して行けたらと思います✨

飲食店様にも雑穀を取り入れていただけるよう頑張ります💪現実問題まずは米ですが😂
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こんにちは。
まだまだ雪景色ですが、少しずつ春の兆しを感じるようになってきました。暖かくなるのは嬉しいですが、という事は本格的に怒涛の忙しさが待っているという事なので今からビクビクしています(笑)

写真はここ北海道深川市役所の地域振興課が作成したパンフレットです🙌

これさえあれば、黒米を食べたことがない、どうやって食べたらいいかわからないという方でももう大丈夫です🙆‍♀️✨
「きたのむらさき」という品種の黒米は北海道ではここ深川市が誕生の地で、炊き方やレシピのみならず、その誕生ヒストリーや栽培に関して普通のお米と違ってどんなところが大変なのか等、とても読み応えのある内容になっています!

販売に際してパンフレットを使わせていただけないかとお願いしたら、大変快くドサーーッと下さいました!

深川市では黒米生産農家は私たちだけとなってしまい、道内でも黒米を栽培をやめるという声は聞こえてきても始めるという声は全く聞こえてきません😂

米ですら余ってるこのご時世で、黒米の消費を拡大する事は簡単な事ではありませんが、地域振興課の方々が思いを込めて作って下さったパンフレットとともに黒米の魅力を伝えていけたらと思います🌾✨
黒米をご購入していただいたお客様には今後パンフレットを同梱させていただきます。
黒米をご購入でない方もご興味のある方は同梱させていただきますのでお気軽にコメントいたまけたらと思います。
どうぞよろしくお願い致します!
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