2011年の1月早々、全国的に大寒波が訪れました。我々が暮らす宮崎県五ヶ瀬町も例外ではありません。
おそらく皆様は、宮崎県って暖かいイメージを強くお持ちかと思いますが、宮崎県も広いです。山間部になると、とても南国とは思えない風景が、このように冬場にあらわれます。
去年は暖冬だったのですが、今年は3年ぶりの大雪となりました。撮影したのは1月7日で、そこからもう2週間近く経ちましたが、まだ山道や田んぼのあちこちには雪が溶けないままでいます。
道路の日の当たらない場所では凍結したままで、うっかり踏むとスタッドレスタイヤがズルッと滑ってひやっとさせられました。
一方で、米農家にとってみると、この雪は恵みの雪です。
山に積もった雪は、しばらくは溶けず春頃になってようやく溶けて、冷たい水として山中に浸透していきます。土の中で濾過された水は、湧水として地表にあらわれて、それが我々の新しい稲作用水になってくれるのです。
冷たい水は、稲の成長をゆっくりゆっくりにしてくれるので、田植から刈取までの期間は当然長くなります。その分、味が粘りを帯びてぎっしり樅の中にできるので、食べた時の美味しさや粘りが、強くなるのです。
雪は確かに生活の面では、いろいろ困ることがあります。灯油を1月200リットル使うことだってあります。しかし、4月から始まる稲作は、今は雪である先の水があってこそ。
今年は水不足の心配をしなくてよさそうだなぁ。顔をあわせると、そんな挨拶を出来るのが、米農家にとっては一番うれしいのです。
次回の投稿では、路面の凍結が消えてたどり着けるようになった、五ヶ瀬の米の命とも言える特別な湧水の話をさせてもらいます。