玄米、白米など選べます。事前にお願いします。
本年は台風の直撃は無かったものの、山形も極めて暑い夏でした。収量は大きな減少が無いのは雪解け水で育つ地域ゆえですが、それでも米粒の質では少し落ちています。
我が家の水田は中山間地で栽培面積は小さいが、冷たい雪解け水の恩恵があり、昔ながらの杭掛け天日干しならではの米に仕上がっています。
杭掛け天日干しはとても手間がかかり、何よりササシグレの収量の低さや稀少性もあり、割高であることをご理解くださいませ。
また最小限に抑えるように心掛けていますが、昨今に肥料や原油の値上がりより僅かに値上がりしていますが、杭掛け天日干しの伝統的な農業を応援と思って購入して頂ければ幸いです。
●杭掛け天日干し
稲を束にするバインダーという機械で刈り取り、50束ずつ杭に掛け、天地返ししてからの脱穀となります。
秋の台風の時期にも重なりやすく、管理は時間と汗の積み重ねです。
コンバインで刈り取る場合より、稲の茎の養分を最後まで吸い上げるので米粒や味の仕上がりに差が出ます。
●豪雪地帯と雪解け水の善し悪し
霊山としても名高い月山や湯殿山に繋がる山並みの麓にある我が家は2~3mもの雪に閉ざされている期間が3ヶ月以上ある豪雪地帯で、日本国内でも稀有な真夏にスキーができる程に夏も山には雪があり、夏でも冷たい雪解け水が田んぼに入ってきます。
寒暖差の大きさや冷水の刺激で稲にストレスがかかり、収量は高くなりにくいですが、たくましい稲になり、美味しいお米になります。
●ケイ素・シリカ
雪解け水にはお米の生育に欠かせないケイ酸(ケイ素(シリカ))が豊富です。
ケイ酸が稲に吸収され、稲の茎葉が強くなります。人間の髪、爪、肌にもシリカは欠かせませんよね。
毎日ずっと葉などから吸収発散し続ける水の違いって実はかなり大きい。あなたが食べているお米の育った水はいかがですか?
●施肥管理
蛍がたくさんいる地域でもあるので、水稲の消毒は蛍に影響しやすいという事もあり、我が家は防除もできるだけ心掛けています。
お米に限った話ではありませんが、農業は環境や自然を保全する最前線でもあります。手間を増やし除草剤の削減に力を入れております。疲弊した土壌や残留農薬を後世に残さないようにしたいものです。
●やっとここで品種のお話
ササシグレはササニシキの親品種でコシヒカリなどのもち米系統が入っていない稀少な品種で、今では極わずかしか作られていません。それは収量が少ない事や、コメの品質基準で特Aを取ることが難しい品種だからです。ですが味や香りではササニシキを上回ります。
●アミロースが多いって?
昔の品種でもあるササシグレは最近では高アミロース米と言われ、全国の米の9割以上を占めるもちもちしたコシヒカリ系統とは真逆の品種です。
お米のでんぷんはアミロースとアミロペクチンからできており、高アミロースとは消化のいいアミロースが多く、消化されにくいアミロペクチンが少ない品種です。
ササシグレはもち米系統が入っておらず、昔ながらのうるち米の本来の香りと食味の良さがあります。
一般的に冷めても美味しい最近の品種はアミロースが低く、もちもちで甘みの強い感じはアミロペクチンによるものです。
●消化の良さ
米アレルギーは低アミロース米(アミロペクチンが多いお米)
で起きることが多く、高アミロース(低アミロペクチン)のササシグレは、消化がいいため血糖値が上がりにくく、お米アレルギーの人が食べたりもできるそうです。
要するにブドウ糖に分解されやすく消化がいいのがササシグレ、ササニシキという事になり、ササシグレは特にアミロースが高いのです。
●食べ方・食べ分け
一口目からインパクトのあるコシヒカリ系統とは違い、ササシグレは穏やかに香りがよく、噛んでいると後から美味しさが感じられます。
おにぎりや弁当に入れるとコシヒカリ系統よりは固くはなりやすいですが、ネタの味を邪魔しないので、お寿司のシャリによく使われており、一般にも夏バテして食欲がない時はさっぱりしていて適していますので、残暑の厳しい時に食べるといいです。
炊きあがりは香りも良く、食味の優しさから箸が進みます。ササシグレに慣れると、コシヒカリ系統は重く感じてきます。だから毎日ササシグレにと言いたい所ですが、なんやかんや言っても山形と言えば、つや姫や雪若丸など新しい品種が美味しい事は間違いありません。
ササシグレは他に、香りの良さから米麹や甘酒にしてもいいのですが自分で米麹を作るのはハードルが高いですね。
奇跡のリンゴで有名な木村秋則さんがササシグレを勧めて一部では話題となりました。
消化がいいので、赤ちゃんの離乳食にするのにもモチモチしたお米より向いています。
●暮らしと藁
コンバインで収穫しますと、わらが細かく裁断され田んぼに残していきます。次の年の田植えの頃までに土に還るわけです。
ですが昔は藁は日本の暮らしの中で一番活用されていた素材のひとつで、生活用品、農業資材としても使われ、藁なしには暮らしていけませんでした。
ですが今では農業資材も藁の米俵を使う事があるわけもなく、ビニール、プラスチックなどになっていますし、農機具もいろいろ大型化しています。
我が家は中山間地で大きい農機具も使い難いので家族総出で稲刈りをしています。藁も雑草除けや、鶏の寝床に使っています。
●神事と藁
3年前より地元の親戚の神社より藁を分けて欲しいとの連絡がありました。黒川能という国の重要無形民俗文化財の春日神社と、縁結びや修験の山としても有名な金峯神社からなんですが、どちらも1000年以上の歴史があります。 我が家が十八代目で400年近い歴史なんて霞んでしまいます。
神事や注連縄に使う藁が手に入らないという事でした。
もちろん神様を祀る所に使うのですからありがたく提供しましたが、
それほどまでに縄を綯えるような藁がコンバインの普及で無くなっているのです。
歴史ある神社の本殿などの注連縄のためにも杭掛け天日干しは止められませんね。
日本人にとって食用米の原種に近い品種である消化のいいササシグレ、そして伝統的な暮らしや工芸にも大切な藁、お米を食べることを考え直す機会にしてもいいのではないでしょうか?
販売について
量は精米の事もあり、基本的には最低量は4㎏からで販売を致します。玄米は精米した白米と価格は変わりません。
販売は白米、玄米や五分搗きなどの精米加減は、備考欄に書いてもらえれば対応しますが、特にコメントも無い場合は白米にして発送します。五分搗き以外の精米度合いも可能です。詳細はお問合せください。
味では白米が一番ですが、栄養では玄米が一番です。玄米は消化は悪いので白米に5%玄米を入れるというのもいいと思います。
量はお客様の送料負担を少しでも減らすため、4㎏と9㎏を定番で出しますが、送料内でたくさん欲しいという声があるため、14㎏、18㎏も予定しています。
キロ1200円と高額ですが、希少な品種が杭掛け天日干しという事であると、ネットで調べても決して高すぎる値段ではありません。再生産適正価格でブランディングなどの上乗せ無しの労働時間に見合った額となっております。
季節によっては、庄内柿、山菜、夏野菜などとセット販売も可能です。Instagram、X(Twitter)で金三郎十八代目で投稿していますので、気になるものがあればお問い合わせください。マニアックな農産物もあります。
分からないことがあれば気軽にお問い合わせください。
伝統的な杭掛け天日干しを続けるために応援お願い申し上げます。
長文最後まで読んでいただきありがとうございます。
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