熊本県 八代市
金剛農園
田中良和
熊本県八代市、ここは柑橘の産地として知られています。
金剛農園では60年の歳月を経てもなお、生命力を失わない甘夏の木々が立ち並びます。
甘夏は、日本人にとって馴染み深い夏みかんの一種で、その風味はシンプルながらも奥深いものがあります。
現代では、高い糖度を持つ柑橘類が人気を博していますが、甘夏の魅力はそれとは異なります。
甘夏の風味は、酸味と甘味のバランスが絶妙で、そのシンプルさの中に深みが感じられます。
それは、見た目や風味が派手な果物とは違う、静かながらも深い魅力を持つ果物です。
金剛農園では、その甘夏を自然のままの姿で育てています。
農薬や化学肥料を使わず、自然の力だけで育てられた甘夏は、見た目は決して美しいとは言えませんが、その自然の姿こそが美しさだと私たちは考えています。
そして、1月から5月の間には、3種類の甘夏を提供しています。
それぞれの甘夏が持つ独特の風味を楽しんでいただきたいと思っています。
物質的な豊かさばかりに目が行く現代社会だからこそ、自然の美しさと素朴でシンプルな風味こそが、精神的な豊かさを追求することの大切さを教えてくれます。
金剛農園の甘夏、その自然のままの美しさをぜひご賞味ください。
生産者のこだわり
希少な甘夏創成期の木々から収穫
金剛農園の甘夏は、甘夏が全国に広まった1950年代に植樹されたものであり、当時、八代・芦北地方は日本有数の甘夏の産地でした。しかし、現在では他の柑橘に植え替えられている圃場が多く、その数はかなり少なくなっています。金剛農園は、この希少な生命力みなぎる甘夏の木々を大切に管理しています。
自然と調和した栽培
金剛農園の甘夏は、自然と調和した栽培方法を行っております。農薬や化学肥料を使わずに育てられた甘夏は、土壌の微生物を活性化させ、栄養豊富な果実を育てています。剪定による日当たりと風通しの最適化、病害虫防除への努力、有機肥料を用いた土壌改善など、繊細な管理を行っています。自然に近い栽培方法を採用しているためキズや汚れがつきやすい一方で、甘夏本来の風味や味わいを最大限に引き出しています。
季節を彩る甘夏の提供
甘夏は、その酸味と甘味のバランスが季節ごとに変わり、さまざまな風味を楽しむことができる柑橘類です。金剛農園では、1月から5月までの間にそれぞれの甘夏の風味を楽しんでいただけるように、3種類の甘夏を用意しています。
まず、「とれたて甘夏」は完熟前に収穫され、その爽快な酸味とほんのりとした甘さが特徴です。次に、「貯蔵甘夏」は冬季に収穫され、倉庫で追熟させることで酸味が抜け、食べやすさと豊かな風味が引き立ちます。最後に、「木成り完熟甘夏」は春に収穫され、程よい酸味の中に甘味を感じることができ、木成りならではの爽やかさと瑞々しさが魅力となっています。