
岐阜県 加茂郡東白川村
あめ和つち農園
小林裕幸
清らかな水と土を求めて、2016年に移住。
鍼灸師の妻と料理好きな夫とで一歩ずつ里山での暮らしを深めてきました。
森羅万象の声を聴きたくて、自然の摂理を探りながら
農薬や化学肥料を使わずに生命たちに向き合っています。
生産者のこだわり

いのちの根源を知りたくて
大きな転機は「東日本大震災」。救援物資を届けるために向かった福島で、海に生きる漁師、土の匂いのする農家さんたちに出会いました。九死に一生を得た被災者。なのに眩しい笑顔と優しさで見ず知らずのぼくを迎えてくれた。・・・勇気をもらったのはぼくの方でした。
自然は人智をはるかに超えるものであり、恵みをもたらしてくれるもの。絶望の底に沈んだとしても最後の光となるものかもしれない。被災地で出会った人々の力強いいのちの根源。それは自然とともにある生き方にあったのかもしれない。それを知りたくて「百姓」を選びました。
美しい水と風の山地
百姓になると心を決めてから、理想の定住地に辿り着くまで5年以上を費やしました。伴侶と出会い、いま、ぼくらが住む土地は岐阜県の東部。標高600メートル超、江戸時代享保年間に拓かれた集落です。家々は点在し、カモシカや猪などの野生動物の方が人間よりも多そうです。
夏は冷涼。冬は氷点下10度以下まで冷え込みますが雪は少なめ。一年を通して昼夜の寒暖差が激しいため、お米や野菜、果樹が甘く育ちます。最上流に位置する集落のため、田畑に注ぐ山水は人による汚染がなく、飲めるほどに清らかです。
天と地が和する楽園づくり
自然の声に耳を澄ます。そして小さないきものの命を等しく大切にする。
あめ(天)とつち(地)の間に生きるすべてのいのちが和する楽園を目指しています。自然を穢さず痛めつけず、人の手によってできる限りのことをしています。
農薬、化学肥料、除草剤などはもちろん使いません。機械や石油資材にもなるべく頼らず、手しごとで稲や野菜に向かい合うことを大事にしています。
真心をお届けします
稲や野菜にも感情があり、心があると考えます。これまでの経験から、どうやら接する人間の心のありようさえも伝わっていると感じます。心を込めてお世話し、その恵みを最高の状態のまま食卓にお届けします。