ニワトリノニワ(徳島県阿波市土成町土成)への質問

この生産者への投稿です

徳島県 阿波市土成町土成

ニワトリノニワ

創業:2011年02月

日本の食糧自給率低迷を解決したいとバイオテクノロジー産業から脱サラし農業を始めました。

食糧自給率よりも悲惨なのが飼料自給率です。畜産、とりわけ養鶏は飼料自給率が10%しかありません。

そこで以前高知で取り組んでいた国産のエサにこだわるという所から、一歩進んでエサを全部自給してみようと2025年から徳島に移転し挑戦しております。

小羽数(100羽ほど)の放し飼い飼育をしているためどうしても割高な卵になってしまいます。しかし昨今の国際情勢や環境問題を考えれば食品は安価な方が良いとは思えません。

東京で働いていましたが四国に来たのは四国八十八ヶ所霊場を歩き遍路した経験からお接待のお礼をしたいと思ったからです。

さて、以下長くなりますが農業についての考え方を詳細に書いておきます。

【未来に残す農業について】

震災・戦争・パンデミック・環境破壊・気象異常・貿易戦争など有事の際に、また100年先に日本の農業を継続させるには二つの大きな課題があると考える。

一つは農業人口減少の問題。もう一つはエネルギーや飼料・肥料の自給率の問題である。

一つ目の農業人口が激減している問題に対して。政府はこれまで新規就農者への補助や、それを受け入れる法人を支援したりと税金を使ってきた。

しかしほとんど効果を上げておらず私が就農した2011年の186万人から毎年順調に減少しており2023年で116万人にまで減少した(※いずれも自営農)。

原因は様々な議論があるものの、私は食品の店頭価格に比べ農家の手取りが少なすぎることに最も原因があると考えている。つまり中間流通による搾取である。

サラリーマンの平均時給2453円に対し農業従事者の平均時給は873円である。まずはこの格差を埋めない限り減少を食い止めることはできないだろう。

私が考えている農業のあるべき姿は、国が全ての農産物を一定以上の価格で直接買い取ること。更に基本的な食べ物は全ての国民にベーシックインカムとして配布すること、である。

そうすれば農産物が価格競争に巻き込まれず農家に一定の所得が保証される。また中間流通によって中抜きされることもない。若い農家が少なからず増えるだろう。

ベーシックインカムと結びつくかはともかくとして、これまでも農家への直接補助はずっと議論されて来た。

しかしこの施策が現実化しないのは政治的な理由がある。直接補助にすると農家から販売手数料をふんだくっている農協の経営が危ういからだ。そして農協が支持する自民党がこれを拒む、という良くある既得権益を守る構図である。

農家を支えるのが使命で生まれたハズの農協が結果的に農業を衰退させているとは虚しい限りである。


さて、もう一つの、農業におけるエネルギー・飼料・肥料自給の問題。

まずエネルギーと肥料の問題。この問題はそもそも農業人口が減少して行くからやむを得ず大規模化、更に機械化されるため大量に石油を使用し、また農薬をばら撒き無駄に肥料を投与せざるを得ないのだ。

日本のエネルギー自給率はたったの12-13%しかない。

にも関わらず政府はAIを使ったスマート農業やらロボットや巨大な機械を使った農業の大規模化を進めている。

農業人口を増加に転じられなければエネルギーと農薬や肥料・飼料を海外に大きく頼っている日本の食糧問題の未来は暗い。

もし国際情勢や異常気象などの変化により貿易が滞れば食料を輸入できないばかりか国内で食糧生産すらできなくなるという最悪の事態に陥る可能性があるのだ。

こんな未来を子供たちに残して良いのだろうか?


次、飼料自給の問題。

これは我々が取り組んでいる。現状の自給率は畜産全体で27%程度。中でも採卵養鶏は10%程しかない。

もし今エサが輸入できなくなったら卵の生産が1/10未満になる。卵の価格はたぶん一個500円以上になり気軽に卵が食べられなくなる。

でもそれで良いのではないだろうか?

更なる解決策としては畜産の中で養鶏(採卵・肉用)が最も飼料効率(生産物/飼料)が良いことから牛豚など飼料効率の悪い家畜から養鶏への移行を進める。

タンパク源として肉は鶏肉しか食べられなくなるものの1つの生命体として完全なバランスを持つ卵は辛うじて食べられる。

単純に持続可能な循環型農業を目指す、なんていう夢のようなスローガンを掲げるだけでは日本の農業を100年先に残すこと、即ち安心安全な食べ物を子供たちに残すことはできないのだ。


そう考え、エサを完全自給する新たな畜産(農業)の形態を目指し生産規模を1/10以下に縮小、再スタートした【2025年3月】


【SDGs:アニマルウェルフェアについて】

我々は100年後も継続する農業を思い描いた際、疫学的観点から近代農業の作る未来は非常に危ういと考える。

その理由は、例えば近代養鶏は生産効率を追求しニワトリを卵の生産ロボットとして捉えていることにある。

その考え方が工場内での過密飼育になり、故障を防ぐため抗生物質の投与・ワクチンの定期接種になるのだ。

しかし細菌やウイルスの進化は人類の想像以上に早い。抗生物質で抑え込めるのは一時の話。すぐに耐性菌ができ、蔓延する。

人類がようやくワクチンや薬を開発した時には既に新しい変異ウイルスができている。従って新たに変異したウイルス、数年前に猛威を振るった新型の鳥インフルエンザなどには無力である。

このことは農薬を使用する農業全般にも同じ。もっと言えば薬やワクチンで病気を防ごうとする人類に対しても同じ。かつて人類を脅かした新型コロナウイルスも同様である。

このような、人類の傲慢さの代償とも言える現象が起こっているが、地球が生み出し35億年かけて進化した生命は本来、非常に精巧な仕組みを備えている。

それが自己免疫力。免疫力の優れた点は薬と違って変異するウイルスなどにも適応する能力を備えていること。

その免疫力を向上させるのは良く知られているように適度な運動と日光浴。適度な運動が免疫細胞を増殖させ、日光浴が免疫力をサポートするビタミンDを体内で作り出す。

この考え方から我々は100年先も続く農業の一つとして放し飼い養鶏を選択。同時にこれは家畜の健康を第一に考えるアニマルウェルフェアの方針に合致するものと考えている。

長くなりちゃんと読んでくれる人は少ないかも知れないけれど、農業や日本の未来についてちゃんと考えている農家がどれほどいるだろうか?自分の農作物を売ることばかり考えているのでは寂しい限りである。

日本の食糧自給率低迷を解決したいとバイオテクノロジー産業から脱サラし農業を始めました。

食糧自給率よりも悲惨なのが飼料自給率です。畜産、とりわけ養鶏は飼料自給率が10%しかありません。

そこで以前高知で取り組んでいた国産のエサにこだわるという所から、一歩進んでエサを全部自給してみようと2025年から徳島に移転し挑戦しております。

小羽数(100羽ほど)の放し飼い飼育をしているためどうしても割高な卵になってしまいます。しかし昨今の国際情勢や環境問題を考えれば食品は安価な方が良いとは思えません。

東京で働いていましたが四国に来たのは四国八十八ヶ所霊場を歩き遍路した経験からお接待のお礼をしたいと思ったからです。

さて、以下長くなりますが農業についての考え方を詳細に書いておきます。

【未来に残す農業について】

震災・戦争・パンデミック・環境破壊・気象異常・貿易戦争など有事の際に、また100年先に日本の農業を継続させるには二つの大きな課題があると考える。

一つは農業人口減少の問題。もう一つはエネルギーや飼料・肥料の自給率の問題である。

一つ目の農業人口が激減している問題に対して。政府はこれまで新規就農者への補助や、それを受け入れる法人を支援したりと税金を使ってきた。

しかしほとんど効果を上げておらず私が就農した2011年の186万人から毎年順調に減少しており2023年で116万人にまで減少した(※いずれも自営農)。

原因は様々な議論があるものの、私は食品の店頭価格に比べ農家の手取りが少なすぎることに最も原因があると考えている。つまり中間流通による搾取である。

サラリーマンの平均時給2453円に対し農業従事者の平均時給は873円である。まずはこの格差を埋めない限り減少を食い止めることはできないだろう。

私が考えている農業のあるべき姿は、国が全ての農産物を一定以上の価格で直接買い取ること。更に基本的な食べ物は全ての国民にベーシックインカムとして配布すること、である。

そうすれば農産物が価格競争に巻き込まれず農家に一定の所得が保証される。また中間流通によって中抜きされることもない。若い農家が少なからず増えるだろう。

ベーシックインカムと結びつくかはともかくとして、これまでも農家への直接補助はずっと議論されて来た。

しかしこの施策が現実化しないのは政治的な理由がある。直接補助にすると農家から販売手数料をふんだくっている農協の経営が危ういからだ。そして農協が支持する自民党がこれを拒む、という良くある既得権益を守る構図である。

農家を支えるのが使命で生まれたハズの農協が結果的に農業を衰退させているとは虚しい限りである。


さて、もう一つの、農業におけるエネルギー・飼料・肥料自給の問題。

まずエネルギーと肥料の問題。この問題はそもそも農業人口が減少して行くからやむを得ず大規模化、更に機械化されるため大量に石油を使用し、また農薬をばら撒き無駄に肥料を投与せざるを得ないのだ。

日本のエネルギー自給率はたったの12-13%しかない。

にも関わらず政府はAIを使ったスマート農業やらロボットや巨大な機械を使った農業の大規模化を進めている。

農業人口を増加に転じられなければエネルギーと農薬や肥料・飼料を海外に大きく頼っている日本の食糧問題の未来は暗い。

もし国際情勢や異常気象などの変化により貿易が滞れば食料を輸入できないばかりか国内で食糧生産すらできなくなるという最悪の事態に陥る可能性があるのだ。

こんな未来を子供たちに残して良いのだろうか?


次、飼料自給の問題。

これは我々が取り組んでいる。現状の自給率は畜産全体で27%程度。中でも採卵養鶏は10%程しかない。

もし今エサが輸入できなくなったら卵の生産が1/10未満になる。卵の価格はたぶん一個500円以上になり気軽に卵が食べられなくなる。

でもそれで良いのではないだろうか?

更なる解決策としては畜産の中で養鶏(採卵・肉用)が最も飼料効率(生産物/飼料)が良いことから牛豚など飼料効率の悪い家畜から養鶏への移行を進める。

タンパク源として肉は鶏肉しか食べられなくなるものの1つの生命体として完全なバランスを持つ卵は辛うじて食べられる。

単純に持続可能な循環型農業を目指す、なんていう夢のようなスローガンを掲げるだけでは日本の農業を100年先に残すこと、即ち安心安全な食べ物を子供たちに残すことはできないのだ。


そう考え、エサを完全自給する新たな畜産(農業)の形態を目指し生産規模を1/10以下に縮小、再スタートした【2025年3月】


【SDGs:アニマルウェルフェアについて】

我々は100年後も継続する農業を思い描いた際、疫学的観点から近代農業の作る未来は非常に危ういと考える。

その理由は、例えば近代養鶏は生産効率を追求しニワトリを卵の生産ロボットとして捉えていることにある。

その考え方が工場内での過密飼育になり、故障を防ぐため抗生物質の投与・ワクチンの定期接種になるのだ。

しかし細菌やウイルスの進化は人類の想像以上に早い。抗生物質で抑え込めるのは一時の話。すぐに耐性菌ができ、蔓延する。

人類がようやくワクチンや薬を開発した時には既に新しい変異ウイルスができている。従って新たに変異したウイルス、数年前に猛威を振るった新型の鳥インフルエンザなどには無力である。

このことは農薬を使用する農業全般にも同じ。もっと言えば薬やワクチンで病気を防ごうとする人類に対しても同じ。かつて人類を脅かした新型コロナウイルスも同様である。

このような、人類の傲慢さの代償とも言える現象が起こっているが、地球が生み出し35億年かけて進化した生命は本来、非常に精巧な仕組みを備えている。

それが自己免疫力。免疫力の優れた点は薬と違って変異するウイルスなどにも適応する能力を備えていること。

その免疫力を向上させるのは良く知られているように適度な運動と日光浴。適度な運動が免疫細胞を増殖させ、日光浴が免疫力をサポートするビタミンDを体内で作り出す。

この考え方から我々は100年先も続く農業の一つとして放し飼い養鶏を選択。同時にこれは家畜の健康を第一に考えるアニマルウェルフェアの方針に合致するものと考えている。

長くなりちゃんと読んでくれる人は少ないかも知れないけれど、農業や日本の未来についてちゃんと考えている農家がどれほどいるだろうか?自分の農作物を売ることばかり考えているのでは寂しい限りである。