

和歌山県 東牟婁郡古座川町
Agarato
あがら〝と〟に込めた想い
『あがらと』という社名は、和歌山県紀南地方の方言である『あがら』=私たち、と、『と、一緒に』の『と』を組み合わせたものです。
私たちは、和歌山の山奥で荒れた土地の草を刈り、耕し、竹でハウスを建てて、微生物と仲良くなり、清流古座川の水に潤してもらいながら、日々たくさんの命と共に生きる形として、植物性自然栽培という農法で農業を行っています。
植物性自然栽培とは、農薬・化学肥料・動物性肥料を一切使わず、植物性の肥料のみで栽培する農法のことです。私たちはこの農法で、食用薔薇、野菜、お米を育てています。
でも、私たちにできるのは、作物を栽培し、商品を作り、送り出すところまで。
実際に選んでいただいて、食べていただいて、初めて意味をもつと思うのです。
生産者のこだわり

活動している場所
人と自然に垣根のない和歌山県の山奥から和歌山県の南のほう、古座川町という山間の町で、私たち『あがらと』は活動しています。
東京23区の半分程の広さに、人口はわずか2700人程度(2019年現在)面積の96%が山林で、数々の清流に恵まれ、人よりも鹿が多い、そんな町です。
そんな時代に、人と自然に垣根のない町からできること。
それはすべての命と共に、より豊かなみらいを拓いていくことだと思います。
ただすべての命と共にあるのではなく、人だからこそできる新たな視点や価値を加えて、『拓いて』ゆくのです。
人はその知恵をもって、手をもって、自然が自然のままでは起こせないこと、起こせても時間がかかることを、
効率的に、効果的に起こし、活用してきました。
そしてそれは本来、人の為だけでなく、人にも自然にも喜ばしい『何か』をもたらしてきました。
すべての命と生きるとは、そういうこと。
決して人の為だけに、命を利用しすり減らすことではありません。
人が、すべての命の一員であり続けるように。
そこに新たな視点や価値を加えて、さらなる豊かさが生まれるように。
そんな想いを作物に乗せ、商品に乗せ活動するのが、私たち『あがらと』です。

野菜のめぐみ
西洋野菜と一般野菜を織り交ぜた、多品目栽培を行っています。
多品目栽培は、気候変動による収穫量への影響を最小限にとどめるだけでなく、山間の比較的小さな農地を有効活用でき、植物同士が良い影響を及ぼし合う、自然のことわり・地のことわりに即した選択です。
食べ物は人がたくさんの命と共にあることを実感する、最も身近で日常的な存在。
野菜を通して、その普遍的な事実を見つめ直すきっかけになればと考えています。

お米のめぐみ
古座川町で古くから親しまれた『香り米』を中心に、手植えや手刈り、天日干し等の伝統的な農法を織り交ぜて栽培を行っています。
町内でも流通が途絶えていた香り米を、復活させる形で栽培を開始。
香り米の栽培をきっかけに町内の先輩方からもご指導をいただき、関係性も格段に深まりました。
去年のめぐみを糧にして、今年のめぐみを育む。
そうして遥か昔から伝え紡がれてきた稲と人の歴史から、人としての在り方を学ぶ、そんな機会にもなっています。

食用薔薇のめぐみ
薔薇はクレオパトラの時代から人々に愛され親しまれてきた、人との関りが最も深い花の一つです。
その美しさで人々を魅了するだけでなく、美容や健康面でも様々な効果効能が知られる、まさに花の女王。
一方で、薔薇が食べられることは、ほとんど知られていません。
薔薇を味わうという特別な体験が、その育て方や背景、ひいては自然全体のことを考え、感じるきっかけになることを願っています。