自然と共生する農業
2021/03/09
冬の間に行った大豆仕事も2月に味噌仕込みで一区切りし、3月に入ると、みやもと山の一年のサイクルの中で、一番あつーいシーズンのスタートです。そう田んぼ仕事が始まりました。とは言いつつも、お米を植えるための作業のスタートで、田起こし、畦塗りと、まだまだ地道な準備段階です。ゆっくりとちょうど良い塩梅を機械で探り探り田んぼを起こしていきました。じわりじわり面積が増えていまして、ここのところ仕事のスピードを気にしていたのですが、今年は原点に戻り、じっくりと丁寧に作業することを心がけています。丁寧というテーマに合わせて、機械もよく整備していましたので仕上がりも例年より良い感じです。積み重ねてきた経験と、父含め農村でいまだに現役で働く大先輩おじいさんたちの色々な技をみて、良い米作りにつなげていけたらと思います。色々、準備してトライしているので、田植えが待ち遠しい!!さて、今月の便りは、匝瑳里山保全会の活動で行った生物観察の時、移した写真を載せています。左上の赤い花弁の様な植物はコセンモウゴケと言う食虫植物です。葉っぱがネバネバしていて、止まった虫を逃さずに溶かして栄養にするそうです。右のたんぽぽは恐らく日本の在来品種だそうで、ポイントは花の裏の葉が反り返っていないところだそうです。でも花弁の形がちょっとゴージャスなので西洋タンポポとの雑種の可能性もあるそうです。
そして、冬の間に溝掘りしていた田んぼの水路などには、トウキョウサンショウウオの雄の姿や卵、イモリの姿も見えました。生物観察会を案内してくださった先生曰く、里山の農家たちが田んぼ仕事の中で水路を掘り直したり、木を切ったりと農村を整備する事で、水辺の生物が生息していけるそうです。地域の農業が止まってしまい里山が荒れ出すと溝が埋まり、木がしげり日陰が増えていくと、今いる生物の数は減っていってしまうそうです。里山という命が溢れる地には、農家が農業を続けることで生物との共生に繋がっているんですね。
作業面だけで見ると草かり面積も多いし、冬も整備が多くて大変なのですが、天地、自然の恩恵を受けている農業、丁寧に環境整備を続けていけば自然へ還元もできるんだなと考えさせられた生物観察会となりました。余談ですが、寒い冬の日に、溝掘りしてたので、水路に生き物の姿が見れてほっこり嬉しい気持ちになりました。これからも、よろしく里山の自然たち!

この投稿をした生産者

気になる投稿