
【食べチョクいちごグランプリ2025 総合大賞受賞インタビュー】「ほしうらら」で勝ち取った3冠。コードファーム175のいちご栽培にかける情熱
食べチョク主催のいちご品評会 食べチョクいちごグランプリ2025で「総合大賞」「さわやかな甘み部門金賞」「パッケージ賞」の3冠を受賞したコードファーム175の馬本さんに、食べチョクスタッフが栽培へのこだわりについて伺いました。
今回のグランプリについて
3冠受賞、おめでとうございます!率直な感想をお聞かせください。
コードファーム175 馬本さん ※以下、馬本さん)かなりびっくりしました。農業を務めて9年目、いちご一筋でやってきたものですから。
自分のしてきたことに対して、評価されたっていうのももちろんあるんですけど、今いるスタッフの協力であるとか、上司の協力があったからこそ、この評価になったのかなっていうのはすごく感じています。
今回のグランプリにエントリーしたきっかけは?
馬本さん)去年のいちご博2024のことは知っていて、今年は「ほしうらら」に自信があったのと、味だけではなくお届けした時の体験まで評価するというグランプリのコンセプトにも惹かれるものがありエントリーを決めました。
一番びっくりしたのは、青果の成分分析までするんだってところですね。
しっかり評価されるからこそ、ちゃんといいものを出して評価いただけたらいいかな、という気持ちでした。
自信があったという「ほしうらら」について
栽培のこだわりや工夫している点を教えてください。
馬本さん)「ほしうらら」の栽培はおととしから始めました。
私たちは12品種ほど育てているんですが、そのなかでも「ほしうらら」は生育環境や自分の栽培方法との"相性がよかった"ので、できることをつぎ込んでみようかなっていうのがありました。
こだわりという点であれば、葉緑素の値をほしうららに合わせてしっかり管理しています。
「コク」や「うまみ」を出すために有機肥料にもこだわってみようかなっていうので、今年は魚のエキスや海藻のエキス、漢方の生薬を入れたり、上から赤ワインを散布しました。
あとは土の中に、いちごの根に作用する菌を植えたり、、、できることはすべてやってみました。
あとは、わざといちごを氷点下まで冷やして赤くなるまでの時間を伸ばすことによって、糖度を上げてます。
普通いちごって25日〜30日ぐらいで完熟させるんですけど、あえて50日くらい時間をかけてしっかり熟成させた上で出荷しています。
”相性”について
馬本さん)"相性"っていうのは大事だなってつくづく思うし、お客さんに提供するものだから、育てるんだったら、おいしいって言ってもらえるようにちゃんと提供できるものを育てるようにしてますね。
結局、どの農作物にも言えることは、自分の生活リズムに合うようなものを育てたほうが良いということですね。栽培はライフワークです。
遅く起きる人だったら、遅く起きても大丈夫な作物にしなきゃいけないし、早起きが苦じゃないんだったら、逆にいちごとかは朝に収穫した方がおいしいんでそういう作物が向いてる。
自分の人生において何の支障もない、生活の一部になるような作物を育てたほうが良いなって思います。
グランプリには「ほしうらら」でエントリーしようと思っていたんですか?
馬本さん)エントリーする品種はちょっと迷ったんですよね。「ほしうらら」はもちろん受賞できるなっていう自信はあったんですけど、「ほしうらら」以外にもこだわっているのが「紅ほっぺ」なんですよ。
「紅ほっぺ」って、酸っぱいイメージがあると思うんですけど、完熟採りして、肥料にしっかりこだわれば実はこんなに甘くておいしいんだよっていうことを伝えたくて、昔の品種にこだわっています。
エントリーしたときに「ほしうらら」の状態が良かったので、今回は「ほしうらら」で出品しました。
馬本さんご自身について
いちご栽培を始めたきっかけ
馬本さん)いちご一筋とは言いつつも、いちご栽培のきっかけは養蜂なんですよね。
養蜂ができるいちご栽培スタッフの募集を見たのがきっかけでした。
そこで食べたいちごがすごく美味しくて、今までの酸っぱいいちごのイメージが覆ったからちょっとやってみようと思ったのがきっかけです。
もともと父の影響で生き物が好きだったので、生き物に関わる仕事がしたくて。
入りは養蜂だったけど、農業をやらせてもらって今に至ってます。
養蜂の経験も、いちご栽培の知識としてすごく生きていると思います。
いちご栽培に関する知識の源泉
馬本さん)いちご栽培の知識は、興味からきています。
どうしたらお客さんが満足するんだろうとか、どうしたらこの子たちが最後までおいしいって言われるように育てられるんだろう、っていうのが大事だなと思ってて。
そのなかで、農業大学の論文とか、海外の論文とかで学んだことを取り入れて、これは良かったなとか、これ、ちょっと相性悪いなとかいうのを線引きして、今に至ってます。
いちご栽培で大変なこと
馬本さん)大変なことは、自分の思った通りに育たないこと。
毎年天候が変わるんで、去年良かったなっていう味を今年再現できるかというと、できないんですよね。それが最初のうちの苦労です。
ビニールハウスが壊れたら自分で修理しなきゃいけないとか、大事に育てたいちごが動物に食べられてしまうとか、思った以上に農業って過酷だなって。
最近になって色々コントロールできるようになってきたから、続けてきてよかったなと思います。
何より、やっぱりお客さんからおいしいっていう声が増えたのがすごい嬉しいですね。育てててよかったって思います。
栽培について
12品種栽培されているとのことですが、肥料の種類や生育環境は品種ごとに変えていますか?
馬本さん)肥料の種類とかは、変えてないですね。栽培区画間ではわざと差別化を図って前年と今年の育て方の差を見たりはしますけど、肥料や、農薬、土に関しては変化を与えていないです。
「いちごがたちが、一番いい状態で幸せに育ってくれればいいかな」っていう気持ちでやってます。
やっぱり植え付けて、結局、最後は自分らで刈り取らないといけないんで、スタッフとか後輩とか、社員には、せめてこのいちごたちが生きてる間はおいしいって言ってもらえるように、ちゃんと育てようねって言ってます。
栽培のこだわりを発信するための工夫について、教えてください
馬本さん)実際に直売所に立つようにしています。
やっぱり、どのいちごが美味しいかとか聞かれますし、お客さんからどのいちごが甘いの?って言われたりもします。
今栽培しているものは、だいたい糖度は一緒なんですよ。あとは好みです。
何種類か試食してもらって、一個ずつ説明した上で、お客さんの好みにあったものを買っていただくようにしています。
あとは、定期的にSNSでいちごの生育状況やその日に販売している品種を紹介しています。
パッケージのこだわり
馬本さん)一目でいちごってわかるパッケージにしたくて。
あとは、小野市で作ってるんだよっていうので、”ono city strawberry enjoy”って書いてます。
いただいたときにちゃんとしているものだなっていうのが一目でわかるように、素材にもこだわっています。
来年はパッケージもちょっとアップデートしていこうかなと思っています。
今後の展望
最後に、今後新たに取り組みたいことについて、教えてください
馬本さん)個人的には、海外を目指していきたいなっていうのはあります。
今、日本のいちごってすごく評価されていますよね。
まだ輸送技術としては難しいけれど、もっと視野を広げて、そういったところで評価いただくっていうのが面白いのかなっていうのは思ってたりします。
あとは、コロナ禍を経て、いちご狩りをお届けできるシステムがあればいいなと思いました。
今は限られた粒数で数品種をお届けしているけど、いろんな品種が40粒ぐらいあって、お家でとか、病室でとか、現地に行くのが難しい人がいちご狩りを一時的にでも楽しめるようなシステムを作りたいなと考えてます。
今回、グランプリで総合大賞をいただいたんで、それを来年以降も保持するっていうのも目標ですね。
結びに
今回は、食べチョクいちごグランプリ2025で「総合大賞」「さわやかな甘み部門金賞」「パッケージ賞」の3冠を受賞されたコードファーム175の馬本さんにお話をうかがいました。
今回のインタビューを通じて、馬本さんがいちごに対して抱く強い思いと、常に新しいことに挑戦している姿勢が伝わってきました。いちご一筋に取り組みながらも、お客さんに「おいしい」と言ってもらえるように、工夫を重ねている姿に感銘を受けました。
食べチョクのページでは、馬本さんが我が子のように大切に育てたいちごを購入することができます。
ぜひこだわり抜かれた美味しいいちごを味わってみてくださいね!
生産者さんの商品はこちら
コードファーム175さんのこだわりの”いちご”はこちらから
コードファーム175さんのいちごを見る
「食べチョクいちごグランプリ2025」受賞生産者さん
食べチョクいちごグランプリ2025を受賞した生産者さんはこちらから
https://www.tabechoku.com/feature_articles/strawberry-grandprix2025
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