米の直売農家 阿部文吉

新潟県 燕市

米の直売農家 阿部文吉

阿部武由

創業:2014年04月
食べチョク登録:2024年02月

お米は薬やサプリメントではない安全であっても美味しくなければ食べ続けてもらえない。安全・安心にこだわった「おかずのいらないコシヒカリ」。美味しい米を収穫したいその一心で田んぼで汗をながしています

生産者のこだわり

生産者のこだわり

純米酒の酒かすを乾燥させて春と秋に田んぼに入れてアミノ酸たっぷりの土を作ります。

酒かすで米がおいしくなるの?

私も最初はそう思いました。酒かすにはアミノ酸がたくさん含まれており酒かすで田んぼの土づくりを行えばきっとおいしい米が収穫できるとのではという漠然とした思いはありました。でも一番の問題は酒かすは要冷蔵で常温では管理できない。又、重たく肥料として使うには全くの不向きでありました。

2019年の年末、新潟の酒蔵が酒かすの乾燥化に成功したという新聞記事を読んで「これだっ!」とすぐに蔵元に電話を入れ即決しました。これまで有効に活用されなかった酒かすを60度で低温で15時間程乾燥させてものを田んぼに撒布します。その際、分解が進むよう乳酸菌も入れて田んぼの中で発酵分解させます。酒粕に含まれるたくさんのアミノ酸、乳酸、ビタミンなどの養分が根から吸われ特に甘みの強いコシヒカリとなっています。

収穫をして最初にガス釜で炊いたとき旨そうな香りが立ち上がり、とても艶々した大粒の米が立ち上がっていました。

食べてその美味しさに感激しました。
特に酒かすは米の甘さを際立たせるんだという事を実感しました。

生産者のこだわり

魚のアラ・海藻・カニ殻を発酵させたボカシ肥料を元肥と穂が出る前にくれてます。

ボカシ肥料というのは発酵分解された肥料という意味です。

2014年からスーパーや弁当工場から出る魚のアラ・海藻・カニ殻等に米ぬかを混ぜて発酵菌を入れて発酵させたボカシ肥料を田んぼに入れて土づくりを行ってきました。元々は砂気の強かった田んぼがこのリサイクル肥料によってみるみる肥沃な土地に変わっていきました。まさに米つくりに最適な田んぼに変わっていったのです。

 このボカシ肥料は魚原料の独特な匂いがします。私はとても良い匂いだと思いますがカミさんは嫌がります。田んぼにこのボカシ肥料を撒くとカラスが真っ黒くなって寄ってきます。カラスに全部食われてしまうんじゃないかとヒヤヒヤします。撒布後直ぐにトラクターで田起こしするのは言うまでもありません。

魚のタンパク質が分解され、20数種類ものアミノ酸に変わり、このアミノ酸群が稲の根から吸われて米の旨味の成分を形成します。

生産者のこだわり

穂が出そろった8月中旬に鹿児島枕崎産のカツオエキスを葉っぱと穂にたっぷりと撒布。

鹿児島県はカツオの町枕崎港で水揚げされた新鮮・元気な『かつお』を主原料に発酵熟成させた純度の高い液体肥料を500倍程に薄めて、穂が出そろった8月のお盆前頃にたっぷりと葉面撒布します。18種ほどのアミノ酸が含まれているため葉や穂からの吸収もよく、すばやく稲に吸収されて米のうま味を増す効果があります。

又、7月の上旬から下旬にかけて稲の穂が形成されますこの時期に合わせて魚ボカシや魚エキスから作った肥料を撒きます。そうすることで一般の米とは違う炊き上がりの香りが立つ、うま味があって甘味があるコシヒカリとなります。

生産者のこだわり

40年前に提唱された「への字稲作」。初めヒョロヒョロ、中ガッツリ、秋には頭を垂れる稲穂かな。

への字稲作とは、兵庫県太子町の篤農家故井原豊さんによって1980年頃提唱された稲作方法。生育パターンが「へ」の形をたどるのが特徴で、田植え後はさみしく、生育中期に旺盛になり、秋には美味しい米が稔ります。

私の「への字」は秋に魚ボカシと乳酸菌を入れて藁を発酵分解して微生物でいっぱいの田んぼを作ります。そして春に小池は元々砂気の多い田んぼなので各々に応じて魚ボカシとミネラルを入れます。余計な肥料は極力抑えます。そこに反45株で2~3本を極力浅く植えます。

田植え後1ヶ月は他の田んぼと比べると分けつも少なく草丈も伸びず貧弱でかわいそうなくらいです。しかし肥料分が無い為、根は栄養分を探して広く深く伸びていきます。

そこで6月5日位に初めて肥料をくれます。初期の生育を抑えて中期の分けつを増やすのです。

そして幼穂形成期の7月10日位に肥料を入れます。それで終わりです。株元がガッツリ開いて茎の太い止め葉がシャキッと立った穂長のがある大粒の籾がたくさんついた稲穂が出来上がります。

詳細情報

経歴・沿革

【米作りはもうやめよう】
米作りは儲からないしセガレは東京で所帯を持ったし農業機械を買う金もないし、もう俺の代でやめようと思って会社勤めをやめた60歳になってから始めました。しかしどうせやめるならとことんやってやめようと思いました。なので初めは全くうまくいきませんでした。まず散らばっている田んぼの場所がわからない。隣の田んぼに肥料を撒いたり、トラクターで耕したりしました。そのくせ自分で作った米は自分が値段を決めるんだと直売を始めました。しかし全く売れませんでした。焦るあまり米詐欺にひっかかり米代金を回収できず地獄を見ました。米を作っても食えない時期が3年ほど続きました。関東や関西のこだわりスーパーを雑誌やネットで調べ片っ端からサンプル米を送り電話をかけ続けました。でも飛込営業というのはうまくいかないもんですね。
【下町ロケット効果】
ある時、地元の観光センターにつばめ返しの納品に行ったら、担当の女性から「阿部さんそこ下町ロケット米を置くから阿部さんのは端っこに置いて」と言われて初めて下町ロケットが燕市でロケをおこなっていることを知りました。その頃からWebサイトやふるさと納税が馬鹿売れしてきました。しかしTV放送が終わったらピタッと止まりました。世の中に天地人現象というのがあるそうで大河ドラマやマスコミで話題になったのは長続きしないと言われていますが本当にその通りでした。
【横田切れ】
燕市小池というところは新潟県のほぼ真ん中にあり明治29年7月の横田切れで未曽有の大洪水に見舞われ全て泥の下に埋まりました。そのため「砂壌土」と呼ばれる運ばれたきた川砂と元々あった肥沃な壌土が混じりあった土地です。肥料の持ちが悪く昔は鳥またぎ米と呼ばれていました。しかし爺様や父親の代の血のにじむような努力によって今では新潟でも有数の米どころとなっています。

メディア実績

2020年4月17日・21年7月30日他、元三条新聞・新潟日報にユニークな米生産者として何回か掲載されています。

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