荷上場の地酒 「再仕込みどぶろく 坂野泉」
2024/04/04
~ 200年前の地酒ブランドをどぶろくで ~
当店がある二ツ井町にあげば地区は、「荷物」を「上げる」「場所」で「荷上場」と書きます。米代川と藤琴川の合流点であり、古くから舟運の要所だった当地域では、渡し舟で運ばれてきた荷物の上げ下ろしをする舟場だった歴史があり、それが「荷上場」という地名の由来です。
さらに、江戸時代の主要交通路「羽州街道」が通り、人や物流の拠点だったことから周辺の地域では栄えた村でした。この荷上場村で代々、肝煎(きもいり・佐竹藩から命ぜられ村政を取り仕切る村長にあたる)を仰せつかっていた「菊池家」という旧家があります。
この菊池家は周辺の村々のまとめ役である親郷(おやごう・村々の頭村)を務め、その上、秋田藩主御渡野のお休み所や津軽公参勤の中宿になったとても重要な家です。
17代続く菊池家は当地域では通称「酒屋の家(さがやのえ)」と呼ばれています。現在は造られていませんが、江戸時代にお酒を製造していた事が書かれた文書(菊池文庫・秋田公文書館保管)や当時のお酒の銘柄(坂野泉)が彫られた木の看板が残されています。
【17代「菊池家」 × 創業140年「伊藤謙商店」】
荷上場や菊池家の歴史を調べる中で、地域で140年続く唯一の酒販店として、また酒類製造者として、昔荷上場で造られていた地酒銘柄の復活を通して、荷上場の歴史を多くの人に知ってもらい、また、多くの人に訪れてもらい、荷上場に誇りをもってもらいたいと思い「荷上場の地酒」を復活させたいと考えました。
【製品(Product)】
お酒の歴史や当時の技術を考えると、「米の旨味とコクを感じさせる濃醇タイプ」の味わいだったと推測され、これを県総合食品研究センター醸造試験場の技術指導を受け、「濃醇甘口」タイプのどぶろくが完成しました。
•原料米について
江戸時代は精米機による精米ではなく水車や臼で精米していたと想定され、お酒に関する文献によると精米歩合は85%前後だったと推定されます。また、酒造用に米を生産していたわけでなく、主食米の余剰分を酒造りに使用していた(米が豊富に集まる家でなければ酒造りは難しかった)事から、銘柄復活にあたっては現在の主食米である「あきたこまち」を約88%まで精米して、当時の味わいを表現しました。
•製造方法、酵母について
菊池家の酒造りに関する技術的な記述は解読できず、「米の旨味とコクを感じさせる濃醇タイプ」だったと推測される当時の味わいをどぶろくで表現するため、平安時代初期(10世紀初期)の法律規定「延喜式(えんぎしき)」に記された醸造方法「御酒(ごしゅ)」造りのしおり法を応用した「再仕込みどぶろく」製法を新たに考案しました。また酵母については、800万年前に出来たと言われる世界自然遺産・白神山地から発見された「白神こだま酵母」を使用。温故知新の製法と悠久の時を超えた酵母で当時の味わいを表現しました。
•味わいについて
江戸時代の仕込み水や米麹の使用比率をみると飲み口は濃くて甘かったと推測され、これを参考に醸造試験場の技術指導の下、「濃醇甘口」タイプのどぶろくが完成しました。「再仕込みどぶろく」製法はどぶろくにどぶろくを仕込む製造法で濃厚で甘くサッパリとした酸味が特徴です。また、酵母が生きている生タイプではなく、火入れをして品質の変化や劣化を防いでいます。
•ラベル、ボトルについて
江戸時代のお酒はガラス瓶が開発される前だったので、木樽や甕・とっくり等にお酒を入れて運んでいましたが、現在のように流通が発達しておらず地域内で販売・消費されており、そのため酒蔵では木彫りの看板で銘柄名を周知していたと考えられます。本プロジェクトでは菊池家にある木彫りの看板をラベルで再現。菊池家の歴史も合わせてお届けします。
•製造、販売について
当店の創業は1878年(明治11年)、薬屋として開業。その後、全酒類販売免許を取得。2015年(平成27年)どぶろく特区による濁酒製造免許取得。創業以来、当地、二ツ井町荷上場で営業を続け、現在に至っております。地域で140年続く唯一の酒販店として、また酒類製造者として、荷上場に住んでいる人が荷上場の歴史を知るきっかけに、さらに贈り物でもらった人が荷上場を知り、訪れるきっかけになるように願っています。
【あきた食のチャンピオンシップ2023 部門金賞(秋田県知事賞)受賞】
【第16回全国どぶろく研究大会入賞】
当店がある二ツ井町にあげば地区は、「荷物」を「上げる」「場所」で「荷上場」と書きます。米代川と藤琴川の合流点であり、古くから舟運の要所だった当地域では、渡し舟で運ばれてきた荷物の上げ下ろしをする舟場だった歴史があり、それが「荷上場」という地名の由来です。
さらに、江戸時代の主要交通路「羽州街道」が通り、人や物流の拠点だったことから周辺の地域では栄えた村でした。この荷上場村で代々、肝煎(きもいり・佐竹藩から命ぜられ村政を取り仕切る村長にあたる)を仰せつかっていた「菊池家」という旧家があります。
この菊池家は周辺の村々のまとめ役である親郷(おやごう・村々の頭村)を務め、その上、秋田藩主御渡野のお休み所や津軽公参勤の中宿になったとても重要な家です。
17代続く菊池家は当地域では通称「酒屋の家(さがやのえ)」と呼ばれています。現在は造られていませんが、江戸時代にお酒を製造していた事が書かれた文書(菊池文庫・秋田公文書館保管)や当時のお酒の銘柄(坂野泉)が彫られた木の看板が残されています。
【17代「菊池家」 × 創業140年「伊藤謙商店」】
荷上場や菊池家の歴史を調べる中で、地域で140年続く唯一の酒販店として、また酒類製造者として、昔荷上場で造られていた地酒銘柄の復活を通して、荷上場の歴史を多くの人に知ってもらい、また、多くの人に訪れてもらい、荷上場に誇りをもってもらいたいと思い「荷上場の地酒」を復活させたいと考えました。
【製品(Product)】
お酒の歴史や当時の技術を考えると、「米の旨味とコクを感じさせる濃醇タイプ」の味わいだったと推測され、これを県総合食品研究センター醸造試験場の技術指導を受け、「濃醇甘口」タイプのどぶろくが完成しました。
•原料米について
江戸時代は精米機による精米ではなく水車や臼で精米していたと想定され、お酒に関する文献によると精米歩合は85%前後だったと推定されます。また、酒造用に米を生産していたわけでなく、主食米の余剰分を酒造りに使用していた(米が豊富に集まる家でなければ酒造りは難しかった)事から、銘柄復活にあたっては現在の主食米である「あきたこまち」を約88%まで精米して、当時の味わいを表現しました。
•製造方法、酵母について
菊池家の酒造りに関する技術的な記述は解読できず、「米の旨味とコクを感じさせる濃醇タイプ」だったと推測される当時の味わいをどぶろくで表現するため、平安時代初期(10世紀初期)の法律規定「延喜式(えんぎしき)」に記された醸造方法「御酒(ごしゅ)」造りのしおり法を応用した「再仕込みどぶろく」製法を新たに考案しました。また酵母については、800万年前に出来たと言われる世界自然遺産・白神山地から発見された「白神こだま酵母」を使用。温故知新の製法と悠久の時を超えた酵母で当時の味わいを表現しました。
•味わいについて
江戸時代の仕込み水や米麹の使用比率をみると飲み口は濃くて甘かったと推測され、これを参考に醸造試験場の技術指導の下、「濃醇甘口」タイプのどぶろくが完成しました。「再仕込みどぶろく」製法はどぶろくにどぶろくを仕込む製造法で濃厚で甘くサッパリとした酸味が特徴です。また、酵母が生きている生タイプではなく、火入れをして品質の変化や劣化を防いでいます。
•ラベル、ボトルについて
江戸時代のお酒はガラス瓶が開発される前だったので、木樽や甕・とっくり等にお酒を入れて運んでいましたが、現在のように流通が発達しておらず地域内で販売・消費されており、そのため酒蔵では木彫りの看板で銘柄名を周知していたと考えられます。本プロジェクトでは菊池家にある木彫りの看板をラベルで再現。菊池家の歴史も合わせてお届けします。
•製造、販売について
当店の創業は1878年(明治11年)、薬屋として開業。その後、全酒類販売免許を取得。2015年(平成27年)どぶろく特区による濁酒製造免許取得。創業以来、当地、二ツ井町荷上場で営業を続け、現在に至っております。地域で140年続く唯一の酒販店として、また酒類製造者として、荷上場に住んでいる人が荷上場の歴史を知るきっかけに、さらに贈り物でもらった人が荷上場を知り、訪れるきっかけになるように願っています。
【あきた食のチャンピオンシップ2023 部門金賞(秋田県知事賞)受賞】
【第16回全国どぶろく研究大会入賞】