

埼玉県 さいたま市緑区
浅子ファーム
30年ほど前からさいたま市の見沼田んぼで多品種栽培で様々な野菜を生産しています。野菜の他にお米と平飼いの新鮮卵があるのも特徴です。栽培期間中は農薬を使わず、有機肥料中心で減化学肥料栽培をしています。
「つくりたい野菜をつくる!」をモットーに農薬を使用しない安心安全な野菜づくり、農園全体で持続可能な循環型農業を実現しています。
生産者のこだわり

見沼田んぼならではの野菜づくり
ハウスでは作れない旬の野菜を作っています。浅子ファームがあるここ見沼田んぼは、かつて沼だったので水はけが悪い土地です(江戸時代に享保の改革で干拓)。そのためユンボで掘ったり、畑に溝を掘って水はけをよくしてコントロールしたりといった工夫をしています。 そのような土地柄なので、畑の状況を見て作る作物を考えています。例えば水気が多いところはサトイモにしたり、高畝にしたりして場所にあった野菜を作ることで生産性を高めています。

無農薬・減肥料へのこだわり
通常は化学肥料を使って土壌を調整することが多いですが、化学肥料を使うと土地が持たないのでなるべく化学肥料を使わず土の消毒が必要ないやり方をしています。また、無農薬にもこだわっており一般的によく使われるグリオサート、ネオニコチノイドなどの除草剤(カメムシ除去用)は一切使用していません。そのため、虫対策はコンパニオンプランツで防ぐ手法をとっています。大量に大きい野菜を作ろうとすると農薬を沢山使わないといけませんが、農薬を使った野菜は味が落ちてしまうと考えています。私たちは農薬を使って急激に育てるよりもゆっくりじっくり育てた方がおいしい野菜が作れると考えています。

養鶏へのこだわり
さいたま市内で養鶏をしている農家は2軒しかなく、浅子ファームでは「アニマルウェルフェア」をコンセプトに鶏にストレスのかからない飼い方をしています。飼育している鶏の種類は岡崎黄斑、後藤紅葉 (どちらも国産)、アローカナ(南米チリ原産)の3種です。特にアローカナは卵の見た目が青白く 珍しい品種で「幸せを運ぶ青いたまご」と言われており、ビタミンBが通常の卵の約 10 倍、ビタミンEも約 11 倍と言われています。通常ケージ飼いでは身動き取れない代わりに飼育にかかる 手間が全てが自動化できますが、鶏には大きなストレスがかかってしまいます。私たちはアニマルウェルフェアを重視して平飼いをしています。ケージ飼いだと鶏が健康に育たず、鶏インフルにかかりやすいというデメリットもあり、鶏は身動きの取れる地べたがないと体の掃除もできません。本来は穴を掘って土で体温管理したり体についた虫を取ったりしているので、平飼いではそうした環境を提供できること が健康に育つ秘訣です。私たちはヨーロッパ型のアニマルウェルフェアを採用し、健康な鶏が生んだ健康な卵の美味しさを味わってほしいと思っています。

循環型農業へのこだわり
野菜作り、米作り、養鶏を掛け合わせて、それぞれの過程で排出される物を活用して自給的なモデルで農業を行っています。例えば養鶏では自家産の飼料(50%)で自分たちで作った米(籾殻つきで砂肝も発達)、 トウモロコシ、えごま油の搾りかす、その他自家野菜で養鶏をしています。そして養鶏で出た鶏糞や米作りで出た米ぬかは畑や田んぼの肥料として活用し、田んぼから取れる藁(わら)は鶏の寝床や卵 受けに使っています。こうして米、野菜、養鶏を組み合わせて廃棄を減らし農園の中で循環できるサイクルを作り出しています。