みかん生長記⑦ 「みかんの働き方改革」=「隔年結果」
2021/06/30
農家は自営業です。自由業に近いかもしれません。特に休日は設定していませんが、いつでも自由に休むことができます。平日の冠婚葬祭や地区の行事には100%参加しますし、飲み過ぎた翌日には半日寝ていることもあります。しかし、特に用事がなくて体調が良くて晴天が続けば休みなしで働き続けます。日曜日も国民の休日もありません。「猛暑」「酷暑」の日には熱中症の一歩手前で畑に立っています。
農家にも「働き方改革」が必要かもしれませんが、みかんの木には「働き方改革」とも言えるべき「隔年結果」という特性があります。
それは、たくさん実を生らせた木は翌年には休むというものです。たくさん実が生る年を「表年」、休む年を「裏年」と言い、1年ごとのサイクルになります。今年は「裏年」傾向の年に当たります。ただし、中には、気力体力が充実していて毎年休まず働いてくれる優秀な木もいます。一方、「表年」と「裏年」がひっくり返ったサイクルに陥り異端の道を歩んでいる木もあります。そんなこんなでいろいろな木が混在していて、当園では「裏年」は「表年」の約7割程度の収量となります。
生産者からすると、毎年同じように収穫があり、安定した収入があることが理想ですが、天候や木の状態、作り手の技術が影響していてなかなか思うようにはいかないのが現実です。
ちなみに、今年の我が家のポメロはご老体のせいかお休みを決め込み、ほぼ全滅に近い「裏年」の状態です。一方、若木で休み知らずのブラッドオレンジはパワー全開で豊作模様です。大木でどっしり構えている甘夏みかんは例年通りの安定した生育状況です。

この投稿をした生産者

静岡県 浜松市浜名区三ヶ日町

みかん屋 ヤマダ

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