こんにちは。バタリーケージでの飼育がほとんどの中、ニワトリノニワさんのような彼らにとっても素敵な場所で飼育されてるのは素敵だなと思い購入を考えています。参考までに教えて欲しいのですが、孵化して、そのヒヨコがオスだった場合どうされているのでしょうか…。"差し支えなければ"教えて頂けると幸いです。

ご連絡遅くなり申し訳ありません。
早速ですが以下質問にお答えします。長くなりますが最後までお読みくださいね。

Q.「孵化したオスのヒヨコはどうするか？」

一般的な消費者はご存じないでしょうね。というのは、私が思うに敢えて養鶏業者は事実を隠しているからです。隠しているというよりイメージが悪くなるので敢えて言うべきではないと判断しているのだと思います。しかし私は消費者の皆様にちゃんとした事実を知っておいてもらった方が良いと思うのではっきり申し上げます。

A.孵化したヒヨコのオスは殺処分するのです。

確率的にオスとメスの生まれる割合は1：1です。鶏はオスが居なくても産卵できます。人間の生理現象と同じなのです。ということは我々は卵を食べるために半分、生まれたての鶏を殺しているのです。人間とはなんと残酷な生き物でしょうか。

因みに卵を生産する多くの養鶏業者はヒヨコの孵化は専門の孵化・育雛業者に任せてヒヨコ或いは90日120日齢のヒナを購入します。工場の鶏はヒヨコから飼育というところはほぼありません。飼育が面倒だからです。

我々ニワトリノニワでは生まれたて（0日雛）のヒヨコを購入して飼育しております。120日も育てる間、育雛業者は過密なケージで飼育します。過密なのでワクチンや抗生物質も必要以上に投与します。更に30-60日齢頃にデビークと言ってクチバシを切断されてしまいます。

過密飼育のストレスから他の鶏を突いて殺してしまうからです。そんな業者から購入した直後から産む卵をノビノビと放し飼いと謳っても説得力がないですよね。卵は大体150日前後から産み始めるのです。

オスのヒヨコの話に戻りますが、我らがニワトリノニワでも業者からヒヨコを購入しているのでオスのヒヨコの殺処分は業者が行っております。だからと言って自らを正当化して良いものではありません。我々は有精卵を販売しているので大体オスを1割くらい飼育しているので9割弱のオスが殺処分されていることになります。

では、なぜ生まれたオスを全部飼育しないのか？

鶏はオスなしで産卵できること、また有精卵が特別に好まれる訳ではないこと、オスはメスよりエサを食べること、などが理由となります。

オスは肉用として飼育されると勘違いされている方がおりますが、肉用には早く大きくなる品種が開発されているので採卵鶏用に開発された鶏のオスには残念ながら需要はありません。

このような次第で、採卵鶏のオスは経済優先になってしまった人類の効率化による犠牲と言えるでしょう。ヒトが生きるということはたくさんの他の生命を排他的に奪う、なんとも虚しい行為です。

もし、我々ニワトリノニワが理想とする誰もが一家に小さな畑を持ち自給自足が主流の社会が実現したならヒヨコは自家で孵化させメスもオスも一緒に飼育し、メスは卵、オスは大きくなったらお肉に、と無駄な殺傷を行わない前近代的で牧歌的な理想社会が生まれることでしょう。

そのためには経済中心、資本主義中心のこの世の中を根本から変えねばならないハズです。働くことの原点は食糧生産です。人任せにせず、もっと多くの人が農業に関わる世の中を望みます。

ニワトリノニワ　池田

池田さん
あまり知られてない＆教えたくはない事実だったかと思いますが、ご丁寧にありがとうございます。
雌のヒヨコのみを買って育てているということは、私も知りませんでした。ニワトリノニワさんで直接どうにかしている訳ではないのですね。
それでも正直に話していただき、雌はしっかり育てていただきありがとうございます。
現代社会が少しでも良くなるよう私も出来る事をしたいと思います！そのような考えの養鶏屋そんがいて嬉しいです。ニワトリノニワさん応援します、ありがとうございました。

長々とお読み頂き有り難うございました。

有精卵を注文したいのですが、売り切れのようでとても残念です(涙)
販売は再開されますでしょうか？

たままた様
ご連絡有り難うございます。
ただ今冬季からの産卵数低下により、定期・予約のみの出荷に限定させて頂いている状況です。気温の上昇に伴い徐々に産卵数も回復してきており、安定次第ご注文の受け付けを再開する見込みではありますが現在の所まだ時期は未定です。

今後、ご注文再開の際にはまたご連絡差し上げます。ご不便をおかけし申し訳ございません。小規模生産のためご理解頂けますと幸いです。

ニワトリノニワ　尾首