
群馬県 高崎市倉渕
ごとう菜園 レ プゥス ヴェール
五島 学
群馬県高崎市倉渕の標高600mの圃場でじぶん自身が料理して食べたい野菜を少量多品目栽培、産直販売しています。レ プゥス ヴェール les pouces verts は緑の親指を意味するフランス語。ポワロー、フェンネル、プチポワなど日本ではあまり栽培されていないヨーロッパの品目も含め、2025年は約80品目以上作付予定。寒暖差のはげしい土地なので甘みのあるおいしい野菜が採れます。
生産者のこだわり
野菜品種にこだわる
野菜の品種による違いは一般に思われている以上に大きいです。おいしさをいちばんの基準に、ヨーロッパの固定種中心(ただしF1は否定しない)で栽培品種を選定しています。一般的な傾向として、ゆっくり生育させたほうがおいしくてクオリティの高い野菜ができるので、早生品種よりは晩生品種が中心です(つまり栽培に時間がかかります)。「フェンネル Rondo」とか「金町小かぶ」のように、可能なかぎり品種名を明記して出荷・販売しています。
栽培方法にこだわる
雨よけハウス……季節を乾季、雨季でいうならフランスなどは夏に乾季、冬に雨季です。つまり日本と逆です。高温期に雨の多い日本でフランスとおなじように野菜をつくることはできません。見た目はどうにかなっても味、香りの面でクオリティが落ちてしまいます。このため、水分コントロールしやすい雨よけハウス栽培を基本としています。
肥料……科学的に立証されてはいないと思いますが、化学肥料とりわけ窒素などの単肥は微量成分とのバランスを崩し、味に影響をおよぼす気がしています(あくまで個人の主観です)。だから施肥は鶏ふん、油かすなどの有機質肥料と苦土石灰です。いわゆる化学肥料は使いません。
病害虫防除(農薬)……有機リン系およびピレスロイド殺虫剤は使用しません。使用する農薬はもっぱらBT、スピノサド、ボルドー(いずれも有機JAS許容農薬)。どんな場合でも農薬取締法を遵守しています。
収穫タイミングと鮮度にこだわる
品目、品種、季節によって違いますが、野菜の美味しい収穫適期はとても短いです。また、ほとんどの野菜は収穫したてがおいしいです。収穫後日数が経てばそれだけ美味しさは失われます。このため、原則として朝収穫、その日のうちに発送し、到着後はできるだけ早めに召し上がるようご案内しています(厳寒期は前日収穫あり)。
知識にこだわる
20年にわたる野菜つくりの経験や試行錯誤で得た知識、フランス語・イタリア語の農業書や園芸の本などを手あたり次第に読んで学んだ知識と経験を大切にしています。料理の知識も大切にしています。どんな調理によってどのような味わいの料理になるかを知らずに食材を作ることはできません。各取引先のシェフにどんな品目を使いたいか、野菜の出来はどうだったか、どんな料理にしたのか、食べ手の反応はどうだったかなどを聞き、「協同」して野菜をつくっています。
詳細情報
経歴・沿革
2005年有機農業を志し、群馬県倉渕村(当時)にて新規就農。おもにレタス、キャベツ、だいこんを栽培
2006年生産者グループくらぶち草の会準会員としてらでぃっしゅぼーやなどに出荷(のち退会)。ヨーロッパ品種の野菜栽培に着手
2008年ミニポワローの栽培様式を確立。ビーツキオッジャ、ミニフェンネル、チーメディラーパなどとともに築地市場東京シティ青果有機こだわり農産物コーナー(当時)に出荷
メディア実績
「料理通信」2010年10月号 第2回全国お宝食材コンテストでミニポワローが入選
「料理通信」2010年12月号で紹介されました
「月刊 専門料理」連載「エスコフィエを読む」(柴田書店 2011年1月号〜2014年6月号)で翻訳と注釈を担当
「考える人」(新潮社)2014年冬号No.47で紹介されました