山形県 鶴岡市
冨樫藤左エ門 (冨樫俊悦)
冨樫藤左エ門は「だだちゃ豆」の本場山形県鶴岡市白山地区で代々だだちゃ豆と水稲を栽培している専業農家です。家族3人(ときどきバイトの人達にも手伝ってもらいながら)で9ha(9万㎡)ほどの規模で農業をしています。
1990年代前半に父が勉強会に参加し、農薬が人体に与える影響がどれだけ強いものかを知ったのがきっかけで農薬や化学肥料に頼らない農業に足を踏み入れました。
「生命力が強く健康に役立つ作物を育てたい」「お客様に美味しいと喜んでもらえる作物を届けたい」との思いで試験栽培を始め、1995年からだだちゃ豆は全面積無農薬無化学肥料で栽培をしております。水稲でも現在半分の面積で有機JASを取得しております。
私自身は1997年に大学を卒業してから、アジア・アフリカの貧しい地域のリーダーを養成するNGOで1年間ボランティアとして働きました。その後7か月ほどフィリピン・タイ・スリランカ・インド・ネパールをまわる中で、幸せとは、誇りある生き方とはどういうものなのかと考え、実家に戻り就農しました。実家は枝豆農家だし、どうせ作物を作るならドラゴンボールに出てくる「仙豆」のような、人を元気にするような作物を目標にと農業を始めました。最初は虫や病気にもやられてなかなか思うようにいきませんでした。地元の有機農業の先輩たちに教えを受け、試行錯誤を続け、なんとか虫も病気もほぼつかなくはなりましたが、その後はどうすれば仙豆のようになるかと肥料を試したり、自然栽培(無農薬無肥料栽培)も5年ほどやりました。ですが、「仙豆」には程遠く、ある時「ハッ!」と独りよがりで作物に無理をさせていたのかもと気づきました。今はもっと作物や虫や雑草などを観察し、相手側を理解できるように努めながら農業をしています。また、多くの先輩達から教わり助けられたので、その分自分も新しく始める農業者にお返しできればと思っています。